それはもうずいぶん昔のこと。
あの頃は若さゆえの無鉄砲さがあって、いろんな意味で最強だったなと思います(笑)
今は、と言えば。
日焼けと翌日の筋肉痛の心配や、転覆はイヤだ、など、後ろ向きな感じで(笑)
年を取り落ち着いた、ということなのでしょう(^_^;)
琵琶湖。
周りをドライブすることはあっても、湖岸に降りたことはほとんどありませんでした。
そんな私が琵琶湖岸に降り立ち、カナディアンカヌーに乗り、沖に出ました。
乗り込む時に大きな波が来て「うぎゃー!(>_<)」と怖い思いをしましたが、それ以外は快適。
暑くもなく寒くもなく。
湖面はほぼフラット。まったりのんびりな時間でした。
時々 定期船が遠くを走り、ずいぶんと遅れて波がやってきます。
その波はカヌーを揺らし、さらに岸へと向かっていきます。
浅瀬に到達すると白波が立ち、ザザーッと大きな音がして、波は岸を洗います。
『津波ってこんな感じでずいぶんと遅れて打ち寄せるんだろうな』などと思っていました。
岸に戻って昼食は、
・スモークチキンとルッコラととろーりチーズのホットサンド
・あつあつのミネストローネ(これはインスタント)
・食後はあつあつのコーヒー
波の音を聴きながら、できたてあつあつのおいしいものを食べるのは、本当に気持ちがいい。
『幸せだ』と思ったらちょっと泣けました(笑)
波打ち際には、なめらかな小石がたくさんあって、引き波で転がります。
引く波の音に少し遅れて『コロコロコロコロ…』と石が転がる軽やかでいい音がします。新しい発見。
また時々、近くにある自衛隊の演習場から『ドーン!』と大きく強い爆発音が聞こえてきます。
体がビクッとしてしまい、その音から戦争のことを想起してしまい、少し悲しい気持ちに。
家の周りにもいるイソヒヨドリの美しいさえずりは、いつもより優しい感じで耳に入ってきます。
『その時の心の状態で、受け止め方が変わる』ってこういうことなのだなとわかります。
穏やかな湖面に静かに浮かぶカヌーに安定して乗っている私は、意識を向ける先を意識的に変え、わざと心をゆらゆらさせて、自分の反応を見ています。
5日間のサイレントリトリートの後、いろいろな感覚が研ぎ澄まされた感じがあって、ちょっとした気付きがあったり、些細なことでも感じ入るようになりました。
ほとんどのそれはとても気持ちがいいもの。
この不思議で繊細な感覚はずっと続くものではないと思っているので、今のこのタイミングで、琵琶湖でカヌーできてよかったなと思っています。