インド最大の都市 ムンバイが舞台になっている映画です。
主人公は、若くして未亡人になり、村に戻らず、妹の学費のため、ムンバイで住み込みのメイドをしているラトナ。
農村出身ですが、ファッションデザイナーになりたいという夢があります。
ラトナがお仕えする家は大金持ちの新婚家庭。
、のはずが、奥様になるはずの女性がどうも浮気をしたらしく、破談になります。
傷心の旦那様と身の回りの世話をしてくれるメイド。
(しかし掃除は雑(笑))
旦那様はラトナに心惹かれていきます。
とても優しい男性なので、ラトナの夢を応援したりもします。
『インドなのにそんな男性がいるかなぁ』と思いましたが、旦那様はアメリカへ留学した経験あり。
だからなのか、考え方がとても柔軟で今どき。
インドの因習や身分の違いをあまり気にしていない様子。
でもラトナは風習を重んじる田舎出身。
自らの立場もわかっているのであくまで控えめです。
そんな二人が少しずつ近付いていくというお話です。
物語は静かに、淡々と進んでいきます。
映画が始まってしばらくは、セリフがひとつもありません(笑)
ドラマティックな出来事はあまりないけれど、二人の想いや立場の違いや、二人の距離感の変化みたいなものは観ている側にしっかりと伝わってきます。
とても丁寧に作られていると思います。
ファッションデザイナーへの夢があるラトナが着るサリーの色や柄を見るのが結構楽しいです。(中に着るシャツは、なんでおへそが出る丈なんだろう?)
服の生地を市場へ探しに行く場面があるのですが、そこも色や柄の洪水。
ラトナの表情もキラキラしていてとても素敵でした。
ラストまで来て、この映画の邦題『あなたの名前を呼べたなら』の意味がよーくわかります。
身分違いの恋だけど、絶対に応援したくなる、そんな映画でした(^_^)
予告編が観られます(^_^)