今日もよい日

ストレスのお薬としてのヨガ。お医者さんたちも、ヨガと瞑想に注目しています。

男性にも知ってほしい!女性のカラダと心について。

 

 

働き盛りの女性を対象としたセミナーをオンラインで視聴しました。

 

 

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仕事に、家庭に、プライベートに…と頑張る日々。カラダのことは考えていますか?女性特有の不調や疾患をそのままにせずに、もっと自分らしく過ごすために今からできる“女性のカラダ”のとっておきの役に立つ情報をお伝えします!

 

という内容です。

 

5人の産婦人科医の先生方がご登壇。

 

すごくいいセミナーでした(^_^)/

 

だだだーっとメモ書きしたものをアップします。

 

 

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リプロダクティブヘルス総論

 「リプロダクティブヘルス:日本の社会が抱える課題」

北里大学医学部産科学 教授 海野 信也先生

 

リプロダクティブ・ヘルスとは、性や子どもを産むことに関わるすべてにおいて、身体的にも精神的にも社会的にも本人の意思が尊重され、自分らしく生きられることです。
・リプロダクティブ・ライツは、自分の身体に関することを自分自身で決められる権利のことです。

ジェンダー平等は国際社会共通の認識です。

・コロナの流行で、DVの増加と凶悪化、特別給付金の支給が世帯ごととなったことでDV被害者の権利が侵害され、面前DVや虐待が増えました。家庭に居場所がない子どもたちへの影響も大きく、予期せぬ妊娠につながったり。

・産科、婦人科での現場では… 不妊治療の差し控え、がんの診療制限、良性の腫瘍を持っている人の手術の延期、立ち会い分娩の中止と面会禁止、里帰り分娩の差し控え、妊婦さんがコロナ陽性となったことで帝王切開になった、などの影響がありました。

 

 

 

月経困難症

 「生理痛を諦めない様々な選択肢」

丸の内の森レディースクリニック 院長 宋 美玄先生

 

・月経の回数が70年前に比べて10倍(50回→450回)に増えました。70年前の女性は30歳までに3人の子どもを出産していたのに対して、現代では30歳で初産という人も多く、妊娠による月経の停止の機会が減ったことによります。

・月経は「今月は妊娠しませんでしたよ」というお知らせ。子宮は巷で言われているようなデトックス(排泄)器官ではありません。

・人生のうち、6年9か月の間、生理用品を使っていることになります。

・月経による問題を持っている人は全体の25%ほどいて、薬も効かない月経困難症の人は2~3%います。これは日常生活にも支障があり、中には職場でのキャリアアップをあきらめる人もいます。

子宮内膜症…子宮内膜が、子宮の内側以外にもできてしまい、月経血の逆流を経験している人は9割くらいいます。

子宮筋腫…簡単に言うと、良性のコブです。

PMS…女性は1か月のうち、2/3の期間不調に陥っています。月経後~排卵前までの1週間だけがハッピー期です。PMSに悩む人は62.9%、そのうち何の対処もしていない人は69%です。

①月経の周期や症状を記録しましょう

②生活習慣の見直しをしましょう。(睡眠、食事)

③病院の受診はお気軽に。辛い症状に対して、痛み止めの薬、漢方薬、ホルモン療法(ピルやLEP)などいろいろな対処法が選べます。

・ピルに関して。太るとか言われていますが今は違っていて、メリットの方が多いです。妊娠を希望する人は使えません。

・IUS(黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム)は入れたら5年そのままで大丈夫です。私もしています。月経血の量が減り、月経そのものがなくなる人も。月経過多の人におすすめです。

  

 

漢方

 鉄子になろう ~漢方は女性を見過ごさなかった~」

稚枝子おおつきクリニック 院長/東京女子医科大学産婦人科 非常勤講師 武者 稚枝子先生

・今、多くの女性が疲弊しています。日本の女性の1日当たりの睡眠時間は世界でも最も短いのです。理由はワンオペ育児であったり、家事も仕事もこなさないといけなかったりで、家事負担の夫婦間ギャップも世界ワースト1です。

・女性は男性の2倍、うつ病になりやすいです。女性ホルモンの変化も影響しています。

・変化はストレスです。

・月経の回数が多くなったことで、フェリチン(貯蔵鉄)も減少しています。

・鉄分が足りていない人は胃弱な人が多く、鉄分を多く含む肉や魚を消化できないという悪循環が起こっています。

たんぱく質と鉄分を摂りましょう。

・糖分の過剰摂取は血糖値の乱高下を引き起こし、これもストレスです。

たんぱく質不足の脱水というものがあります。むくみが起こり、それが耳に影響し、めまいや気象病につながります。

漢方薬は、食前の空腹時にというのが常識ですが、胃弱の人にはあえて食後に飲んでもらうこともあります。

・月経がある間は鉄不足になります。受診したときに疲れやすさを訴えると、医療用のサプリメントが処方されることがあります。

  

 

 

子宮筋腫不妊

 「女性の3人に1人に見つかる『子宮筋腫』とは?」

東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座 准教授 甲賀 かをり先生

 

子宮筋腫とは

①筋肉細胞でできたコブ

②女性ホルモンの影響で大きくなる

③小さな筋腫も含めると、3人に1人は筋腫を持っている

 

・子宮の外側にできる→漿膜下筋腫

・筋肉の中にできる→筋層内筋腫

・子宮の内側にできる→粘膜下筋腫

 

・30代女性の20~30%の人に筋腫が見つかります。40代後半にかけて大きくなっていき、閉経後に小さくなっていきます。

・昔は30歳くらいまでに産み終えていたのが、30歳から妊娠を希望する人が多くなっています。筋腫が見つかってから妊娠を希望という人も増えています。

・圧迫症状→自覚症状として、おなかが出てきた、トイレが近い(どちらも筋腫によって膀胱が圧迫されている)、便秘、腰痛、むくみも圧迫による症状。

・過多月経→コブができることで、内膜の表面積が大きくなり、剥がれる面積と出血量も増える。自覚症状としては、貧血であったり、ナプキンの取り換えが頻繁になる、レバー状の塊が出る、お布団を汚してしまうなどがあります。

不妊症→コブがあるために着床しにくかったり、着床しても赤ちゃんが育ちにくくなったりします。

・筋腫のあるなしに関わらず、38歳ごろから妊娠率が下がります。筋腫の手術をしたからといって、すぐに妊娠はできません(傷が治る時間が必要)。計画的に。

・閉経直前に子宮を摘出することについて。漿膜下筋腫の人は閉経しても筋腫が小さくなりにくいです。閉経直前に全摘するデメリットは少ないです。

 

 

 

更年期

「もしかしてこれって更年期障害? ~そうか産婦人科に行こう!~」

女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道 副院長 高尾 美穂先生

 

・女性は女性ホルモンにいつも揺さぶられています。

・女性の4人に3人は何かしら悩んでいます。

エストロゲン…女性らしさのためのホルモン。美容面の働き、コレステロールの増加を抑える、血管を強く保つ、骨吸収の抑制、自律神経の働き、月経を起こす働きなどがあります。

プロゲステロン…妊娠を継続させるホルモン。分泌されることで、眠気や胸の張り、水分が溜まりやすくなるのでむくみが起こる。

・月経がある=体にまだ余裕があるということ

・更年期(45~55歳)あたりになると、視床下部からの指令に卵巣が応えられなくなります。応えない子宮に対して視床下部がパニックを起こし、発汗やほてり(ホットフラッシュ)が起こります。

・12か月月経が来ない=閉経です。閉経してみないと、更年期のスタートはわかりません。

・更年期は全ての女性に来ます。57/100人に自覚症状(更年期症状)があり、22/100人が治療を必要とします(更年期障害)。

更年期障害が起こると、リラックスしづらかったり、メンタルの不調に陥る人も。

脂質異常症は閉経後に急増する病気です。動脈硬化からの冠動脈疾患や脳血管疾患に注意です。食物繊維や青魚を食べましょう。中程度の運動もしましょう。

・閉経後は骨密度がガクンと落ちます。予防のためにCa(牛乳)、Mg、ビタミンD(シャケ)、ビタミンK(納豆)、たんぱく質大豆イソフラボンを摂りましょう。

・骨密度を落とさないためには、太陽を浴び、骨に衝撃を与えましょう。

・アルコールやたばこは、閉経時期を2年早めます。

・閉経後の不調にホルモン補充療法があります。2か月で効果が見られ、骨密度も2年くらいで増えます。お肌にもよいです。しかし、日本では2%の人しかホルモン補充療法を利用していません。貼り付けるタイプのものや、飲み薬など選べます。

更年期障害には漢方(加味逍遥散など)や植物性エストロゲン(エクオール)などもいいです。

・運動することは、発汗やほてり、うつ状の改善に役立ちます。血管と骨と筋肉を鍛えて、健やかな心でいられます。

 

 

Q&Aの時間に、30代男性からこんなメッセージが。

「職場には女性がいて、女性特有の体調の変化が仕事に影響してそうだなと感じます。妻も更年期に入っているのか調子が悪そうで、私にはわからない変化があるように思います。男性がサポートできることは?」

 

なんと優しい男性なのだろう…(涙)

 

先生も「こういう質問頂けるだけで嬉しいものです」みたいなことを仰っていました。

 

「女性は変化する生き物。変化はストレスです。『体調が悪いの?』と普通に聴いてあげて下さい。更年期のゆらぎは当たり前です。」というお答えがありました。

 

 

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セミナーを視聴しながら、ヨガのクラスにご参加の方たちのことを思い出していました。

 

・うつぶせのポーズのときに、筋腫がある辺りがマットに当たって痛みを感じるという方

・シャバ・アーサナで仰向けでお休みするときに、やはり筋腫が何かしらの作用をしてリラックスできないという方

・気持ちのゆらぎを感じるという方

・最近 よくふさぎ込んでしまうと教えてくれる方…。

 

 

これら全ては、女性ホルモン由来のことであるということがわかりました。

 

女性は、体調がいい時期は、1か月のうち1週間だけということは衝撃(^_^;)

 

 

私自身、女性なのに知らないことがたくさんあったくらいですから、男性に「理解してほしい」というのも…(^_^;)

 

でも、男性側も無関心のままでいるのではなく、知識として頭のどこかに入れておいていただけだらと思ったり。

 

 

男性も男性ならではの大変さがあると思います。

 

一方的に「理解して!」というのではなくて、男性も女性も、性別の違いを超えて、人としてお互いに思い合えたら、というのが今回のセミナーを視聴しての感想です。

 

とてもよい学びの機会でした。

 

 

お互いにやさしく。

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