他者と意見の違いに焦点を当てるという作業を通して、自分の当たり前が他者と異なっているという事案が浮き出てくる。自己分析は複数の人々と行うことでしかできないのである(論文より)
まずお断りを(^_^;)
臨床心理士の鎌田先生のワークショップでお勉強してきました。
記事にしてみて思ったのですが、全くまとまっていません(^_^;)
備忘録として、興味のある方だけさらっと眺めて頂けたらと思います。
8月に名古屋で同じワークショップがあります。
ものすごく楽しい内容なのに、自分の行動傾向が自覚できるようになります。
鎌田先生もおっしゃっていました。
・客観視なくては自覚できない
・執着のこだわりポイントを自覚して初めて、他者のこだわりポイントが見えるようになる
・執着のポイントに善悪をつけると目が曇る
・何かを選ばないといけない時に、自分の思い込み(行動傾向)を自覚していると、建設的 or 破壊的な選択肢を自由自在に選べるようになる。
自分自身が無自覚に動くポイントというものも見つかりますから、お知らせが届いた方で、受講資格を満たしている方はぜひ参加していただきたいなーと思います(^_^)
もしすでに満席だったらすみません(^_^;)
(参加されるときは、論文をプリントアウトして持っていくといいと思います。指定の教科書は使いませんでした(^_^;) )
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ワークショップのタイトルに『アドラー心理学の最優先目標(危機的状況で他を捨てて選ぶ目標)のABCDタイプ論』とあり「参加の前には添付した論文を読んでおいてください。」と(^_^;)
ものすごくむずかしい内容なのかなあと思いつつ、論文に目を通してみると楽しそう(笑)
参加申し込みをしておいたのでした。
参加者は39人で、北は富山や石川、南は沖縄から来ている方も(^_^)
まずはおおまかに2つのタイプに
ワークショップは2つの図を見ながら進行していきました。
図を見ながら、与えられたテーマについて考えます。
まず一つめのテーマでは、図の中の縦軸を見ます。
自分が
①課題達成型 なのか、
②人間関係重視型 なのかを調べて行きます。
(②は①の2倍くらいいるそうです)
①課題達成型
クール、頑固、出来具合に重きを置く、褒められることには関心がない、場合によっては敵とも手を組める
②人間関係重視型
勝ち負けや優位に立つことが大事、人からの評価がほしい、親分肌、好かれたい
(図1:無自覚に動くポイントを探すためのライフスタイルの類型)
テーマ1:小さい頃(~12歳)までに好きだったキャラクター、偉人は誰ですか?その理由は?
近くの人たちと答えをシェアしました。
・ガンダムに出てくるセイラさん(やっちゃいけないことをしたアムロを叩いたのが素敵)
・星飛雄馬(お父さんが厳しくてもめげずにすごいから)
・パトラッシュ(ネロが死にそうな時に、そっと寄り添うのが泣ける)
・ドラえもん(万能なところ)
先生が解説をつけ加えていくのですが、
例えば星飛雄馬を挙げた人に対しては
・技を身に着けていくかっこよさを評価しているのなら①
・人に負けたくないという性格を評価しているのなら②
など、着目する点の違いで
①課題達成型 なのか
②人間関係重視型 なのか変わってくるといいます。
①に入るもの…イチロー(自分がそうしたいからする。応援されたいわけではない)、朝ドラのまんぺいさん、諸葛孔明、スナフキン など
②に入るもの…花形満(ちやほやされたがってる)、ドラえもんやオバQ(正義の味方系はみんな②)、ルーク・スカイウォーカー、ハンソロ、カーク船長、セーラームーン、劉備玄徳、シュバイツァー など
世代の違いもあり、どんな性格かわからないキャラクターもありました(^_^;)
でも、なんとなく①と②の違い、イメージがつかめるようになってきました。
さらに2つに分かれます。
簡単に書くと、
①の人で、
ありとあらゆる労力を厭わない人 → D (優秀)
ほどほどの努力でという人 → A (安楽)
②の人で、
とにかく人を喜ばせたい人 → B (好かれたい)
いろんなことを私が決めたいという人 → C (主導権)
となるそうです。その詳細が下の図2です。
(ワークショップ終わってからじっくりとこの図を眺めていると、あまりにも当たっていて笑えるのです。)
(図2:簡易ライフスタイル診断)危機的状況、究極場面で他を捨てて選ぶ最優先目標
※ABCDと4つのタイプに分けられるけど、そこに善悪はなく、個人の価値は抜く、というのが基本姿勢です。
ここで自己分析の結果、自覚したABCDタイプに分かれて、グループごとに固まって座ります。
先生は分かれて座っている様子を見渡しながら「まだまだ自分のことをわかっておまへんな~(笑)」とおっしゃっていました(笑)
他の人とお話ししながら自分調べを進めていくと、後から変わってくることがあるのだそうです。
テーマ2:動揺するのはどんな場面ですか?
結果は割愛しますが、おもしろいことに、同じグループの人とだと、動揺する場面や事柄がほとんど同じなのです。
ここでわかったのが、
・A(安楽)とD(優秀)は理解しあえる関係、
・B(好かれたい)とC(主導権)はバランス取れる関係(理解しあえる)
ということです。
図2で4つのタイプを見ると性質が違うんだけど、
図1で見ると、
ADは①課題達成型、
BCは②人間関係重視型なので、
ツボが同じということのようです。
テーマ3:究極場面でどう動くか。
会社がリストラ策を出しました。あなたはリストラする人を選択しなければいけない立場です。上司が作ったリストラ候補者リストには、あなたの同期が何人も入っています。同期に「あなたはリストラ対象である」と告げたときに「子どもがまだ学生で」などと泣きつかれたらどうしますか?
同じタイプの人たちがグループになって話し合い、それぞれの代表がグループ内の答えを発表していきます。
A(安楽):面倒だなと思うけど、仕方ないからやるべきことをする。面倒だから早く終わらせたいと思い、一生懸命やる。
B(好かれたい):泣きついてこられたら、困ったなーと思いながらも本人が納得するまでお話を黙って聞く。一緒に就職先を探してあげる。辛い立場にいるのが嫌なので私も会社を一緒に辞める。
C(主導権):全体へ会社の方針を説明し、全員に理解をしてもらう。中途半端な同情はしてしまう。次の就職先を探してあげる。とばっちりを喰らうのは嫌なので、努力している姿は見せる(会社からの見た目?)。
D(優秀):感情を入れずに淡々と。時間を引き延ばしても相手も困ると思うので早く事を進める。その人は別の会社の方が合っているのかもと思う。同情は上下関係を生んでしまうからイヤ。
同じグループ内では納得いく答えが挙がっていましたが、そのあと、違うグループの答えを聞いて、みんな「ええっ!?」などと、激しく反応していて、その反応を見ているのもおもしろかったです。
テーマ4:苦手だった人と仲良しだった人の特徴は?
Aの苦手さん…べたべたしてくる人、揚げ足取る人、優柔不断な人
Aの仲良しさん…一人でも行動できる人、あくせくしてない人、自由奔放な人
Bの苦手さん…何を考えているかわからない人、顔色を窺わないといけない人、しゃべってくれない人
Bの仲良しさん…価値観が似ている人、気遣いのできる人
Cの苦手さん…高圧的、ズケズケとものを言う人、仕切り屋、こちらの間合いをコントロールしようとする人
Cの仲良しさん…合わせてくれる人、控えめな人、解り合える人、ほっといてくれる人
Dの苦手さん…トイレについてくる人、群れる人、自分の意見がない人、井戸端会議(無駄な時間)が好きな人
Dの仲良しさん…YES/NOをはっきり言ってくれる人
ADは似ていて、BCは上下関係でつながっているなぁと思いました。
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先生からの補足のお話として、次のようなものがありました。
◆図1の2つのタイプについて
・結果に対して自分が満足するのが①課題達成型(A、D)
・結果に対して人からの評価がほしいのが②人間関係重視型(B、C)
・BC(好かれたい人と主導権の人)から見たAD(安楽な人と優秀な人)
→自分の気持ちを話してくれないから、切り捨てられたような感じがして寂しい。
・ADは妄想が少ない。BCは妄想によって自分を苦しめることがある。(あの人のあの態度、もしかしたら私の事嫌いなのかな、など)
◆自殺について
・Aはそもそも自殺しない(面倒)
・Bは構ってほしくて手首を浅く切る(死なない)
・Cは自分の名誉を傷つけられたときに抗議の意味で切腹する
・Dは自分の目標に到達できないことを悔やんで死ぬ
・Dは会社の合理性を大事にしていて、人間関係すらも課題として捉えているフシがある
・Cは会社などで協力しない人を見つけると「協力させないと!」と思う。Dは協力しない人に対しては「この人を別の場面でどう使おうか?」と思う。
・ADの上司に対してBCの部下が「あの人とは合わないので一緒に仕事ができません」と訴えても、感情からの理由からなので、ADの上司は対処しない(笑)
・クールなDが感情的になるのはどんな場面?
→与えられた課題ができているかできていないかに対して怒ったりする。似たタイプとされるAはどんな時もあまり怒ったりしない(感情が動くことすら面倒と思っている)。
◆比率
多い順に、
B(好かれたい)
↓
C(主導権)
↓
D(優秀)
↓
A(安楽)
BCで全体の2/3を占めている。(今回のワークショップでもそのとおりでした)
・ABCDにはオモテとウラの側面がある。(詳細は論文に)
まとめ
・お互いが関心を持っている先が違うこと、「あたりまえ」と思っているポイントも全然違う。
・どちらがいいとか悪いとかはなくて、その視点の違いを理解することが、相手の理解につながっていく。
・自分の立ち位置(タイプ)をしっかり把握することで、相手の立ち位置が初めて見えてくる。
・他者との意見の違いに焦点を当てるという作業を通じて、自己分析できる。
・ABCDでの分類は、執着・こだわりのポイントを見つけるための1つの手がかりに過ぎない。ついやってしまう行動や、繰り返し体験する理解しがたい感情について理解の手助けになるかも。
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私自身、今回のこの分け方は目からうろこでした。
これまでも、関わりのある方からお話を聴かせていただく中で『どうしてそういう考え方になるのかなあ』と不思議に思うことがありました。
自分のあたりまえと、他者のあたりまえは違うということ。
アドラーのこの4つの分け方が頭に入っていると、この先は『なるほどねー』と思えそうな気がします。
おまけ
講座の冒頭で、自己分析しながらあたりを付け始めた時に、顔は知ってるけどあまりお話をしたことがない人に「うどうさんはどのタイプでした?」と聞かれました。
後から変化するかもと思い
「今のところは( ここには書かないことにします(笑) )です(^_^)」
と答えたところ、返ってきたのが「やっぱり!!」という言葉(^_^;)
(その後、結果が変わることがなく、私はグループを移動することはありませんでした。)
このワークショップでお勉強してから、これまでの私の行動を思い返すと、本当に納得してしまうのですが、他人様からは一目瞭然だったのが可笑しかったです(笑)