ワークショップ2つめはTFTについてお勉強しました。
ワークショップ:「TFT(Thought Field Therapy®)思考場療法」岡本直子先生
立命館大学の岡本直子先生は臨床心理士の先生で、大学でもお教えになっています。
TFTは最近、アメリカ政府のエビデンス登録機関にも登録された療法。
東北の震災の時に不眠を訴える人たちにも用いられ、効果を挙げた療法なのだそうです。赤ちゃんからお年寄りににも幅広く用いることのできるこの療法、これから普及していくのかもしれません。
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TFTとは
仮定:何かを考えた時に活性化する場所がある。そこを思考場と呼び、考えること=思考場にアクセスすることとする。
・嬉しいことを考えたとき→ウキウキ、ワクワクする。
・嫌なことや辛いことを考えたとき→思考場に心のトゲが刺さり、それに関連した感情や症状が出る。
ツボをタッピングすることで、心に刺さったトゲを抜く。
すると、再び嫌なことや辛いことを考えたとしても、一度心のトゲを抜き取っているので、記憶には残っているけど、気持ちや症状は落ち着いている。
ロジャー・キャラハンとTFT
アメリカの認知療法の先生。水恐怖症(プールはおろか、飲み水にも反応)の女性に対して、ツボのタッピングをしたところ、症状がその場で消失した、という経験から思考場療法(TFT)を完成させた。
日本には1997年に入ってきた。
道具を使わず、他の療法と組み合わせてもいいので、医師や看護師、心理士、鍼灸師、教員などが臨床の現場に取り入れている。赤ちゃんにもできるセルフケアとして使えるため、活用は増加傾向。 (ヨガとも相性がいいそうです(^_^))
TFTのやり方(ざっくり)と特長
抱えている問題や課題を考えながら、決められた手順で身体のツボを指でトントンとタッピングする。
手順がシンプルで誰でもできる、即効性がある(早ければ数分で)、効果を実感しやすい、副作用がない、心理的問題や身体的違和感など、いろいろな症状に活用できる、などの特長がある。
エビデンス
・個人のレジリエンス(心の回復力)、自己概念の向上
・自立と自律の向上(よりよい自分を目指す)
・トラウマ、ストレス関連の障害と症状の改善
・抑うつとうつ症状の改善
・恐怖症、パニック、不安障害、強迫観念、依存、悲しみ、怒り、罪悪感などの改善
・プラスのイメージができないという人に
・身体の痛み(心からきているもの)
やり方(詳しく)
両面の紙をいただきました。
これは東日本大震災の時、被災した方々のために作成したものなのだそうです。
こちらは不眠症状などに効果抜群とおっしゃっていた、さこつ呼吸法のやり方です。
身体がゆるむ、目覚めがよくなる、入眠がよくなるなど睡眠の質を高めることができ、身体が芯から温まるそうです。緊張でぎこちなさがある人にもいいとのこと。
自分の中の気になることを思い出してやってみて、二人一組でシェアしました。
「問題だと思ってたことが、割とどうでもよくなる感じに変わったよね…。」という感想に、私も頷きました。
実技はここまでです。
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質疑応答
・叩く速さと強さは決まっていますか?
速さは人それぞれ、強さは痛くない程度で。
・猫の不安傾向にも効きますか?
効きます。ヒトの赤ちゃんにも効きます。手順に従って優しく叩いてあげてください。猫の鎖骨は、胸骨の下です。
・認知症の人にいいですか?
ご自分では難しいようであれば、圧痛領域をさすってあげてください。PR(手のひらの横のまんなか)は脳に効くツボです。ちなみにPRへの刺激はスポーツのパフォーマンスも上がります。
・円形脱毛症に効きますか?
わかりません。
・悲しみにも効くのですか?
やってみて効いていないようであれば、心をもう少し探れるのであれば探ります。その悲しみが罪悪感から来ているのか、怒りから来ているのかで、やり方が変わります。
・トラウマの人への注意点はありますか?
目を開けたまましてもらってください。目を閉じると頭の中にいろいろ浮かんできてしまうので危険です。
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とても気さくな先生で、実技多め&ご自身の体験のお話などもして下さり、楽しい学びの時間でした。
決められたやり方で行うと、70~90%の人が効果を実感、というデータがあるそうです。
臨床心理士の鎌田先生から「こだわりポイントの修正」についてお勉強していますが、TFTは、そのどうしようもないこだわりポイントを外すこともでき、気付きが生まれるのだとか!面白いなあと思いました。
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こちらのページには、音声で誘導してくれる動画があります。
私もしばらく、自分の身体で実験します(^_^)