『林先生の今でしょ!講座』で、東洋医学が取り上げられました(^_^)
漢方薬のまとめです。
漢方薬講座
漢方薬の生産は年々増加しているそうです。
大きな理由の一つに、西洋医学のお医者様方が医療現場で漢方薬を使うようになってきたからなんだとか。
さらに、昨今の健康長寿ブームもあって、漢方薬を愛用する人が増えてきたこともあります。
町ぐるみで漢方薬の普及に取り組む町
紹介されていたのはなんと奈良県です(^_^)
県を挙げて漢方薬の普及に取り組んでいると紹介されていました。
JR奈良駅界隈でどんな漢方薬を飲んでいるのか、インタビューをしていました。
一般の方が挙げていたのが、
葛根湯(かっこんとう。風邪のひき始め、寒気がしたら飲む/81歳女性)
芍薬甘草湯(かんぞうとう。足のこむら返り/81歳女性)
桂枝湯(けいしとう。風邪の初期。葛根湯を飲んでいたけど今の体調では桂枝湯の方がいいと鍼の先生に勧められた/53歳女性)
などでした。
一般の方100人にも『普段よく使っている漢方薬はなんですか?』と聞いていて、結果は以下の通りでした。
1位 葛根湯(かっこんとう=風邪の初期症状)
2位 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう=こむら返り、腰痛)
3位 麻黄湯(まおうとう=発熱、寒気のある風邪、インフルエンザ)
5位 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん=高血圧、肥満、便秘)
6位 麦門冬湯(ばくもんどうとう=気管支炎や咳)
7位 六君子湯(りっくんしとう=胃腸虚弱)
7位 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう=のどの異物感)
7位 桂枝茯苓丸(けいしぶうくりょうがん=更年期障害)
とのことでした。
(ここはさらーっと一覧として紹介されていました)
奈良では漢方薬局を訪ね、お店の看板娘 和子さんにもインタビューをしていました。
場所は、1184年創業 菊岡漢方薬局、看板娘 和子さんは93歳、姿勢も顔色もよく、とてもお元気そうな娘さんです(笑)
毎日飲んでいる漢方薬が、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)なのだそうで、貧血の改善や身体を温めるはたらき、風邪の予防などの効能があるそうです。
体調が悪くなくても予防のために毎日飲んでいるそうですが、体調が悪いときは美味しく感じ(身体が欲している?)、体調がいいときは苦く感じるのだそうです。
奈良県の健康長寿のみなさんは、漢方薬を薬としてだけでなく、健康のバロメーター&風邪の予防として愛用しているということでした。(奈良のヨガのクラスの人たちにも聞いてみたいと思います(笑))
漢方薬とは?
生薬(しょうやく)からできています。249種類あります。
薬効のある植物、動物、鉱物などを数種類ずつ組み合わせて作った薬のことを漢方薬と呼びます。
ショウガ、山芋、ミカンの皮などを私たちの身近なところにある食材も生薬として利用されています。
生薬を組み合わせた漢方薬ですが、日本でよく飲まれている漢方薬は294種類あるそうです。
飲む人の体質や症状に合わせた漢方薬が処方されています。
冬のお勧めの漢方薬 ベスト3
西洋医学のお医者様100人に聞いた『冬のおすすめの漢方薬ベスト3』が発表されていました。
3位 腰痛に 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
効果効能:筋肉の痛み、こむら返り、漢方の中でも痛み止めナンバー1。
芍薬…筋弛緩作用(ペニオフロリン)、甘草…抗炎症作用(グリチルリチン)
冬は寒さによって血液の循環が悪くなって、それによって筋肉の動きが悪くなり、足がつったり腰痛になったりする。それに効果があるのがこの漢方薬。
痛み止めとしては群を抜いて効き目があるためよく使われている。
内臓の筋肉の痛みにも効果があるため、胃痛、腹痛にも用いられる。
※どのくらい飲めば効果がある?
芍薬甘草湯は『頓服薬』といい、痛い時に使うもの。生薬の種類が少ない構成の漢方薬だと、効果が弱いのではないかと思うかもしれないけど、漢方薬の場合は数が少ないほど即効性が高い。ある症状にピンポイントで効くのですが、逆に言うと空振りをしたり、副作用が出やすいという側面もある。
※漢方薬の副作用について
決められた用量を守っていれば、1日1回とか痛い時だけ飲む分にはほとんどない。一般論として漢方薬の副作用は西洋薬の10分の1程度とされている。(ゼロではない)
※食前食後どちらに飲むべき?
食前に飲む。漢方薬は食べ物と同じようなもの。
食べ合わせでどういう影響がでるかわからないので、それを避けるために空腹時がいい。
また、空腹のほうが吸収がいいという成分もあるので、食前の方がいいとされている。
2位 おなかの冷えに 大建中湯(だいけんちゅうとう)
効果効能:山椒(温める作用)、乾姜(かんきょう。ショウガに熱を通したもの。熱が中にこもっている生薬とされていて、より身体を温める作用がある)、膠飴(こうい。滋養強壮)、朝鮮人参(滋養強壮)の4つの生薬が使われている。手足の冷えからおなかの痛みがある場合に効果がある。腸の動きがよくするので、おなかの張りがとれたり、便秘が解消される。山椒と朝鮮人参には血行促進効果があるので身体を温め、冷えを改善。
西洋の薬では便秘には便秘薬、下痢には下痢止めと分けて考えているが、漢方では腸の動きを調整すると考えているので、冷えが原因であれば、下痢にも便秘にも両方効く。
大建中湯は、一般の人が使う漢方薬ランキングでは出てこない(認知度はあまり高くない)。
しかしお医者さんはよく使う→開腹や内視鏡手術の術後の腸閉塞予防に、全国の大学病院で使われている。
おなかの手術をする=おなかを開けたり、冷たい器具がおなかに入る→おなかが冷えてしまう。冷えをとり、腸閉塞の予防のために外科系の先生には絶大な人気のある漢方薬。
※生姜の補足
生の生姜に含まれているジンゲロールは加熱することによってショウガオールに変化する。ショウガオールこそが身体を温める働きがあるので、ショウガは加熱して使う方が効果がある。
※冷えではなく、ストレス性の腹痛の漢方薬はある?
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
ストレス性の胃痛・食欲不振・吐き気に用いられる。
おなかの痛み1つとっても、原因は冷えだったりストレスだったりいろいろ。個人の体質に合わせて漢方薬が用意されているので、使い分けることで、より効いて、副作用も抑えることができる。
1位 風邪・肩こり・頭痛に 葛根湯(かっこんとう)
葛根根(かっこん)、大棗(たいそう)、麻黄(まおう)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)の7つの生薬からできています。
効果効能:肩を温めて炎症をとるので肩こりに。頭痛が耐えられないとき寝る前に飲む。
風邪の初期症状(悪寒、肩こり、ゾクゾク)に効く。風邪の初期は薬よりも身体を温めることで治りやすくなる。
身体を温める働きがあるので、風邪だけでなく肩こりに。芍薬や甘草も入っているので首から上の痛みの緩和(虫歯などにも)、目のかゆみ、胃腸によい生薬も入っているので下痢にも効く。広い範囲に使える漢方薬。
・身体を温めることで免疫力が上がる
体温が上がると免疫能力が上がるので、風邪のときは血液循環をよくする漢方薬を使ったほうがいい。
葛根湯の投与前、投与から30分後、120分後をサーモグラフィで見てみると、投与後は体温が上がっていることがわかる。
特に首のあたりの温度が上がっている(=肩こりにもよい)。
首は体温調節の要。首を温めることで体温を維持することができる。
葛根湯が首周りの温度を上げるということは、全身の体温調節にも影響する。
※葛根湯を寝る前に飲むと元気になって眠れなくなるのですが…
風邪をひいていないような元気な時に飲むと、目を覚まさせてしまって眠れなくなることもある。
風邪などで必要な状態だと身体の血液循環がよくなってよく眠れる。
※葛根湯は各メーカーが出しているけど、中身は同じ?
日本の場合は構成成分はほぼ同じだけど、生薬の配合量がちょっとずつ違う場合もある。
薬局で売られている漢方薬は原則、お医者さんが処方する漢方薬の半分の量だけど、葛根湯のように副作用の少ない漢方薬はお医者さんの出すものと同量であることもあるので、薬局のものでも処方された漢方薬と同じ効果が期待できる。
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私も漢方薬にはお世話になっています。
『風邪のひき始めに葛根湯』は、母がそうしていたから、いつの間にか私も(笑)
昨年の夏はこれを使っていました。
子どもの頃は酷いアトピー持ちで、病院で塗り薬を出してもらっていたのですが治らず。
家の近くに本格的な漢方薬局があって、そこで処方してもらった漢方薬を飲み始めたら、すっかり綺麗になりました。
大人になってから、のどの痛みが取れずに病院に通っていたときも、初めは西洋医学の薬を飲んでいました。
なかなか治らないのをみて、先生が漢方薬に切り替えて下さったらすぐに治ったことも(^_^)
奈良県民みんなが漢方薬を愛用しているというのは眉唾ですが(笑)、西洋医学の薬であまり効果がみられないときに、漢方薬を試してみるのもいいと思います。