今日もよい日

ストレスのお薬としてのヨガ。お医者さんたちも、ヨガと瞑想に注目しています。

桜井の聖林寺で塗香づくり。 フェノロサ、白洲正子も魅了された十一面観音を観ました (^_^)/

 

 

私が塗香(ずこう)を知ったのは、もうずいぶん前のこと。

 

奈良市の大安寺で、サントーシマ香先生のヨガイベントがあって、そこに行った時のことです。

 

お堂に入る前に、丁子の実を口に含み、お坊様が手に載せて下さる謎の粉(サビみたいな色(笑))を両手のひらですりすりしたのが初めてです。

 

サビみたいな粉は、乾燥したどこかの国の香り。

 

スパイシーで心がきりっと引き締まるようなよい香りでした。

 

手を洗っても、家に帰り、お風呂に入ってもほのかに香る よい香り。

 

 

塗香に興味を持ち、小袋に分けられた10種類お試しセットをネットで買い求めました(笑)

 

嫌いな香りもたくさんありましたが、いつの間にか行方不明(^_^;)

 

塗香を自分で調香できるイベントがあると知り、参加してきました(^_^)/

 

 

聖林寺 国宝十一面観音像拝観とお寺で塗香づくり体験

 

本堂やアメリカの哲学者フェノロサが魅了された国宝十一面観音像をご住職のご案内で拝観。複数の香りを好みの香りに調香するオリジナル塗香(ずこう)づくりをお楽しみいただきます。塗香とは、お経を上げる前や写経前などにお清めの意味で手などに塗りこんで使用する粉末状のお香のこと。お抹茶のふるまいもあるのでゆっくりとした香りの時間をお過ごしください。
※都合により、寺内の方の案内となる場合があります。

 

 

 

『こんなところにお寺があるの~?』と思いながらたどり着いた聖林寺は素敵なお寺でした(^_^)/

 

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ご住職自らがお寺を案内

 

門をくぐり、拝観受付に行くと、ご住職がいらっしゃいました。

 

塗香づくりに来ました(^_^)/」とお伝えすると

「まだ時間ありますから、よかったら本堂と十一面観音を観ていて下さい(^_^)」とやわらかに仰います。

 

お言葉に甘えて時間まで。

 

イベント開始時間まで仏様を眺めたり、景色の写真を撮っていましたが、時間になりまして、ご住職自ら、このお寺と仏様の説明をして下さいました。

 

(参加者は2人だけなので、なんか申し訳ないなぁと思ったり。)

 

 

 

まず本堂。

 

大きな石のご本尊がいらっしゃいます。

 

屋内なのに石。 不思議な感じです。

 

さらに不思議な感じなのは、両サイドにいらっしゃる、子どもみたいな仏様…?

 

さらに本尊の少し離れた右手に5体の仏様が置かれているのですが、そのうちの一体、聖観音の頭のてっぺんにはなぜか鳥居…。

 

頭の中がクエスチョンマークでいっぱいです(笑)

 

 

 

ご本尊は子安延命地蔵といって、その名のとおり、安産と子授け、延命などの仏様なのだそうです。

 

大きな石から仏様が造られていますから、その重量はすさまじいものと想像できます。

 

「よく、土台が沈んだりしないんですか?と質問をいただきます」とご住職。

 

本堂を作るよりも前に、土台をきちんと作り、そこにご本尊を安置、それから本堂を建てたので、大丈夫なんだそうです。

 

石仏であるがゆえに、結露(仏様が汗をかくと言い換えていらっしゃいました)し、表面が黒くなったりすることもあるのだそうです。

 

奈良時代に焼失してしまったので、今の本堂は江戸時代のものなんだとか。それでも歴史があります。

 

 

 

次に十一面観音を。

 

お姿を観るのには階段を上ります。

 

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この扉の向こうに…。

 

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写真撮影禁止なのでここまで(笑)

 

 

 

でも。

 

 

 

じゃーん♪

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本堂の横の部屋に、この厨子が安置されています。

 

 

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これ、立体的に見えますが、糸で織られている平面なんです…すごい。

 

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案内文にありますように、フェノロサ岡倉天心が、この厨子を寄進。

 

今のお金にすると100万円程かかっているのだそうです。

 

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そして、この厨子、後ろがパカッと開くようになっていて、外にある竹林へ脱出できるようにレールが敷いてあるのだそうです。

 

フェノロサ岡倉天心神仏分離令に端を発した廃仏毀釈運動によって、仏像などが失われる危機を救ったお二人です。(歴史で習ったけどおぼろげ(笑))

 

当時この場所に安置されていた十一面観音を、何かあった時に外へ逃がすために、このようなレール仕掛け込みの厨子にしたのだそうです。

 

 

写真は撮れませんが、イベント参加記念に十一面観音のポストカードをいただきました(^_^)/

 

 

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奈良の人はそれほど、だけど、関東の人に人気の仏様なのだそうです。

 

白洲正子もお気に入りだった、とご住職。

 

私もそんな人気の仏様が、桜井にいらっしゃるとは露知らず。

 

Wikipediaの十一面観音立像のページにも、

写真1枚目に、この聖林寺の仏様が紹介されているのにはびっくりしました(^_^;)

 

ご住職は十一面観音についても、

さまざまな説明をして下さいました。

 

 

本当ならば、東京に旅に出ていて見られなかったはずの、目の前のにいらっしゃる十一面観音。

 

2020年、初めて奈良から離れ、

東京の国立博物館で展示される予定が、

コロナの影響で2021年に延期になったそう。

 

おかげでその姿を見ることができました。

 

(この場所で観られるのは2021年の5月9日まで、その後は東京へ旅に出ます(^_^))

 

 http://www.shorinji-temple.jp/news/86/

 

 

 

「仏」と聞くと、ずっしりどっしりなイメージがありますが、聖林寺の十一面観音はスリム、人間の体のよう。

 

くびれもあり、スタイルがよいなと思いました(笑)

 

お顔もしぐさも姿勢も、なにもかも美しいなぁ…。

 

 

ご住職も説明してくださいましたが、右手の美しさ。

 

おそらく、お数珠を持っていたのだろうということでしたが、指の造形は本当に素晴らしいなあと感じました。

 

 

 

そして、おまけが。

 

足元の蓮の花びらが、東京行きの運搬の準備か何かで外されているのですが、その外された姿のまま、安置されているのです!

(また東京に行くのに、つけたり外したりすることで傷むそう) 

 

そのことについての案内文も置いてありましたが、ご住職の説明がとてもわかりやすく、今日見ることができてよかったなぁと、運のよさを感じました(笑)

 

他にもお水取りのお話(お堂には女性は入ることができないということを初めて知りました)などもして下さって、このお寺や仏教のことを満喫したなぁとしみじみ。

 

 

十一面観音が納められているお堂も傷みが激しくなってきたので、修復のためのクラウドファンディングも。

 

奈良・聖林寺|国宝 十一面観音、観音堂改修のためのご支援を(聖林寺 2020/10/16 公開) - クラウドファンディング READYFOR (レディーフォー)

    ↑↑↑↑↑↑ 

 たくさんの美しい写真があります。蓮の葉っぱが取り外されたレアなお姿もありますから、ぜひ見てみてください(^_^)/ 

 

 

 

メインイベント(笑) 塗香づくり

 

仏様のあれこれで、とても満たされた気持ちになり、うっかり帰りそうですが、本来の目的、塗香づくりです(笑)

 

担当がご住職から女性のスタッフさんに代わりました。

 

 

最初に塗香の説明がありました。

 

塗香は、身体に塗るお香です。

 

・身体を浄化し、ネガティブなエネルギーからも守ってくれます。

 

・本堂に入る前や写経の前などに、手のひらに一つまみとり、両手をすり合わせます。
 

塗香は仏に捧げる六種の供物の一つとされています。

 

 

華厳経に、塗香の効果効能について次のように書かれているのだそうです。

 

 

1.精気を増益する 

2.身体を芳潔にする 

3.身体の温涼を調節する 

4.寿命を延ばす 

5.顔色を引き立てる 

6.精神を爽快にする

7.耳目を鋭くする 

8.健康にする 

9.媚態と愛嬌を増す 

10.品位を高める

 

・・・なんか漢方でいうところの生薬みたいだなぁと思いました(笑)

 

 

手元にもわかりやすい資料がありますが、スタッフの方に教わりながら、自分の好きな香りを作っていきます。

 

「香りを嗅ぎながら、10種類ある中から7種類選んでいただきます(^_^)」

 

じゅ、じゅっしゅるい…。

『迷ってしまう、時間かかっちゃう…』と悩みかけた時!

 

目の前にある資料に【桂皮(シナモン)】の文字が…。

 

 

『よし、消去法で行こう!(笑)』

 

私、インドカレーとか好きなのですが、シナモン(食後のチャイにもれなく入っている(笑))が子どものころからどうも苦手で、生八つ橋のニッキ味は少し苦手(笑)

 

 

容器に入った香原料を順に嗅いでいって(嗅ぎ方も説明してくださいます)、○とか×とか資料に書き込んでいきます。

 

小さなおさじで7杯分の塗香が完成するのですが、その比率と組み合わせはお好みで、ということでした。

 

最悪、同じ香りを7杯でもいいわけで(笑)

 

 

資料には、それぞれの香原料についての説明があって、

・香りの特徴(甘い、軽めでスパイシーなど)

・効用(心への鎮静効果、免疫力を高める)

などが、わかりやすく書いてあります。

 

この資料のおかげで、大安寺でなぜ、丁子の実を口に含んだのかの理由が、時を超えて理解できました(笑)

(仏様の前に行く前の口臭消しらしい(笑))

 

 

私は甘い香りにしたかったので、カレーみたいな香りとシナモンと丁子(クローブ)以外の7種類を、おさじ1杯ずつにしました。

 

 

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まぜるスプーンはゼリー食べる時のスプーン(笑)

 

 

 

できあがりは、容器に入れて持ち帰ることができます。

 

ジッパー付き小袋を予想していたので、きちんとした容器を用意していただけてありがたさ倍増(^_^)

 

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好みの香りの塗香ができましたー(^_^)/

 

 

 

楽しい塗香づくりの後は、お茶を頂きます。

 

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写真撮ってないのですが、

聖林寺オリジナルのお茶碗。描かれた絵が素晴らしいのです(^_^)

 

 

 

みむろ!!

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大神神社といったら『みむろ』、と言っても過言ではないこのおいしい『最中(もなか)』。

 

私も大神神社に行った時、たまに買い求めます。

 

みむろ-(株)白玉屋榮壽

 

最近では近鉄奈良駅などでも販売されるようになりましたが、なんと、近鉄桜井駅の近くのセブンイレブンでも購入できるのだと、スタッフの方が教えてくださいました。

 

 

お茶をいただきながら、御朱印のお話などをします。

 

塗香づくりはストーブが温かくて、外の景色も気持ちのいいお部屋で行われます。

 

遠くには若草山も見えるそうで、山焼きの時に来たら、花火も綺麗に見えて最高でしょうね。

 

 

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すぐ横は桜の木。春も綺麗だろうなぁ。

 

ヨガと食べる瞑想のイベントをしたい(^_^)/

 

 

塗香づくりはここから申し込めます

 

何かを検索してて、偶然に見つけた『奈良うまし冬めぐり』のページ

 

http://www.nara-umashi.com/winter/

 

いろいろな体験プランがあります。

 

 

そして、今回の聖林寺のイベント。

 

(18)聖林寺 国宝十一面観音像拝観とお寺で塗香づくり体験/一般財団法人奈良県ビジターズビューロー - じゃらん遊び体験

 

 

・お寺を案内していただける

・自分好みの塗香を作ることができる

・おいしいお抹茶とみむろをいただける

 

盛りだくさん過ぎて、おなかいっぱい大満足(笑)

 

もう一度参加したいくらいです(笑)

 

 

コロナじゃなかったら、本当にたくさんの人に参加していただきたいこのイベント。

 

12月はもう予約で埋まっているようですが、1月はまだ空いています。

 

コロナの感染者数がここから下降線をたどっていってくれたら。

 

 

お寺は底冷えがしますから、厚手の靴下と、寒くない服装と、マイ消毒液を持っていくといいと思います。

 

塗香でコロナ退散できたらいいとは思うけど(笑)

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