『ソーシャルディスタンスを保ちつつ、元気な体と心を手にする方法』として、ヨガを取り上げていました。
コロナ禍で、ひそかな人気となっているのが、オンラインヨガ。そう。実はヨガって、特別な器具も必要がなく、マット一枚あれば家でもできてしまうんです。自粛が求められがちな今、手軽なエクササイズとしても改めて注目され、国の専門家会議も“新しい生活様式”の運動方法としてヨガをあげています。でも一方で、「何だか敷居が高い」とか、「本当に効くの?」と思っている方も。そこで、あさイチでは、一日15分で出来るあさイチオリジナルの「ヨガ」を視聴者の方に体験してもらい、その効果を探ります。さらにヨガについての最新研究もご紹介。自分のペースで自分の体と向き合うことができる!ヨガの奥深さをお伝えします。
ここからは番組の文字起こしです。
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おうちヨガにはまった人たちに聞いてみると…
・スタジオに行く手間が省けたので、気軽に参加できた
・他の人を気にする必要がないので、リラックスした感じでできる
・うちでできるのはうれしい。新しい時代がやってきたなと思う。
という答えが返ってきました(^_^)/
「ヨガって何がいいの?」と思っている方
ヨガには次のような効果があることがわかっています。
[肉体面の効果]
・柔軟性がアップ
・体幹が鍛えられしっかりする
・ヒップアップ
・ゆったりとした動きなので、ハードな筋トレはちょっとという人も大丈夫
[精神面の効果]
・不眠を解消
・気分を落ち着かせてくれる物質(GABA)が増える
ヨガの3つの特徴
①ゆっくりとした動き
ヨガを続けると、日常生活で使わない全身の筋肉を使うことができるので、筋力トレーニングになる
例えば
立木のポーズ…大腿四頭筋(太もも前の筋肉)、大殿筋、中殿筋(どちらもおしりの筋肉)内転筋群(インナーマッスル)、上腕三頭筋(二の腕)などを鍛えることができる
②呼吸
・基本は鼻呼吸 ゆっくり吸ってゆっくり吐く
・息を吸う時間の2倍の時間をかけて吐く
・動きと呼吸を連動させる
③心(瞑想)
・心と言われても、イメージしにくい
・ヨガでは心と体はつながっているとされている。ポーズなどで身体を整える=心にもそれが作用する
・ポーズを取ることに重きを置きがちだけど、同じポーズをとっていたとしても、どんな気持ちで、どんな集中状態で行っているのかと感じることが大事。
・ポーズ中の呼吸の状態はどうか、姿勢がどうなっているのかなどにも意識を向ける。
ヨガによる体への効果(心療内科医の岡先生)
岡孝和先生は、厚生労働省の事業で、数々のヨガの研究を取りまとめをしてきた先生。(当時、九州大学医学部教授)
長年、様々な知見を集め学会で発表してきた。
先生の発表によると…
・ゆっくりとした呼吸と筋収縮は交感神経優位(興奮)の状態から 副交感神経優位(リラックス)にし、心が穏やかになっていく。
・脳内のGABA(ギャバ←チョコレートなどにも入っている)が増える
=神経の興奮を押さえる作用
・GABAは神経の興奮を抑える作用のある伝達物質
不安やイライラ、不眠などの症状が軽くなったりする効果が期待できる。
呼吸を使った瞑想を続けることで、不安や恐怖、ストレス反応に関係する脳の偏桃体が小さくなる
ということが、近年わかってきました。
スタジオに登場したヨガの先生が感じているヨガの効果
心が落ち着いた
コロナ自粛期間のストレスが、10分の瞑想で気持ちが落ち着いた、心配したことを思い出しても落ち着いていられる。
放送の前日にも緊張、ベッドの上で10分瞑想、心が落ち着き、目の前のことに向き合えた。不安だったりイライラがあるときに、瞑想を活用してほしい。
頭の中に 『明日の仕事イヤだ』『眠れるかな』『気持ちが沈む』というものがある
↓ そこで
瞑想(自分自身の今の状態に意識を向け、あるがままを感じる)
↓
意識が切り替わり、ストレスや不安、慢性的な身体の痛みに効果を発揮
実際に瞑想してみましょう
椅子に座った状態で
①肩を耳に近づけるように持ち上げて、すとんと下ろす
②鼻からすって鼻から吐く呼吸をする。
目を閉じてゆっくり深呼吸。
鼻から吸いきったらやさしく吐き出す。頭は高くキープすると胸が開きやすい。
鼻から肺に入っていくまで呼吸の通り道を感じ、吐くときは同じように通り道を感じながら吐き出していく。
③1分ほどしたら、そっと目を開ける。
正しくできているのかチェック方法
目の周り、のど、アゴ、眉間、こめかみ→緊張が消えてリラックスできていたら正しくできている。また、呼吸がしやすくなったかもチェック。
あさいちYOGA(15分間)
番組オリジナルのヨガプログラムを作りました。6つのポーズからなる一回15分ほどのプログラムです。詳しいやり方は番組ホームページかYouTubeのNHK公式チャンネルをご覧ください
①前編
https://www.youtube.com/watch?v=LQBuhJrDj8c&feature=youtu.be
②後編
https://www.youtube.com/watch?v=-svtF5feGxQ&feature=youtu.be
3つのウォーミングアップのヨガのポーズ(赤ちゃん、猫のねじり、三日月)で体を温めてから、ターゲットポーズ(チャレンジポーズ=やった感がある強めのポーズ。)へ。
ターゲットポーズの後、クールダウンポーズ2つを入れることで、落ち着いて日常に戻っていく。
効果
・寝つきがよくなる
・リラックス効果がある
・肩こり頭痛の解消
・全身運動になるので、体幹やバランス感覚が鍛えられる
※注意
・背骨、腰、膝などに持病のある人、体調のすぐれない人は無理をしないこと
・食後2時間以上は時間を空ける
・妊娠中は腹部を圧迫するポーズはNG. 片足で立つようなポーズも控える
・お手本のとおりにする必要はない
赤ちゃんのポーズ
※赤ちゃんになったかのようにリラックスして行う
この動きは深呼吸を深めるために行うポーズ。
①正座をして、膝の間を大きく広げる
②息を吸って背筋を伸ばし、吐きながら体を前に倒して深呼吸
・肋骨を広げるように背骨を広げる
・きつい場合はももの裏にタオルを挟んだり、おなかのところにクッションを入れる
ポーズをキープしたまま、深呼吸4回
ねこのねじりのポーズ(肩のストレッチ)
①よつんばいになって左手を右手の下にくぐらせる
②右肩をマットにつけて頭もつける
③右手はまっすぐ伸ばし、上になっている左手を垂直に
④左手を、腕の付け根から大きくゆっくり回す(4周)
息を吸う時に頭の方へ腕が移動、吐くときにおしりの方へ腕が移動する
終わったらリラックス
三日月のポーズ(足を開きやすくするポーズ)
足を前後に開いて体幹を使いながら、ターゲットポーズの踊り子のポーズがやりやすくなるようにしていく。
①立膝から右足を前につく(右のかかとはしっかりつけたまま)
両手はその足の両サイドに置く
②右足をもう少し歩かせてから体を起こす。腰に手。肩の力を抜いてゆっくり深呼吸
③後ろ足の甲は床につけると安定 余裕があれば手を持ち上げる
ゆっくりと4回深呼吸
反対も同様に行う
ターゲットポーズ!
踊り子のポーズ(体幹と脚力でバランスを鍛えるポーズ)
①両足を揃えて立つ
②右手で右足をつかむ
③左手を高く天井に伸ばす
④息を吸って背筋を伸ばし、体幹を引き伸ばす
⑤吐きながら体を弓なりに反らせて、右足を軽く上げてバランスとってみる。左腕は床と平行。
(軽減ポーズ:片脚立ちだけでもOK。足を高くひっぱり上げない)
ジャーヌシールシャアーサナ(片脚前屈)
①右の膝を立てて、横に開く(きつい場合は右足の位置を、左ふくらはぎの近くに)
ひざ下にクッションを入れてもいい。
②前屈。
(軽減ポーズ:タオルを足先にひっかけてひっぱりつつ前屈)
ゆっくり4回深呼吸
しかばねのポーズ(シャバ・アーサナ)
あおむけで無心になり、目を閉じ、ゆっくりとした呼吸を8回
胸と背中で大きく呼吸
顔の筋肉を緩め売陽に、おでこやあごもリラックス
3~5分行ってもいい。
初心者が、1週間続けて、あさイチヨガに挑戦
50代女性
コロナのせいで外にほぼ出ない。プヨプヨのカラダになってしまった。以前は週に1度の運動習慣があった。
↓ あさイチヨガを1週間続けた
3~4日目までは必死だった。5日目くらいからいい感じをつかめるようになってきた。毎日やっていると、15分が短く感じて、もうちょっとやりたくなる。
↓ 3週間続けた
目標ができて、生活にハリが出た
30代女性
肩こりがひどい 姿勢が猫背、頭痛 YouTubeなどの動画で取り組んでも、本当にきいているのかわからない。
↓ 1週間続けた
汗をかけるようになった。肩甲骨が柔らかくなったのか、気持ち、シャンと立てるようになった。ぐっすり眠れるようになった。肩こりが酷かったけど湿布もいらないし、旦那さんに肩もみを頼まなくてもいい。リラックスできているのかな。
↓ 3週間続けた
ヨガへの想いが強くなり、もっとヨガのポーズをしてみたいと思った
物足りない方へ。カスタムヨガ
(ターゲットポーズの前に行いましょう)
在宅時間が増えて太り気味という人
→ヤシの木のポーズ
①足を腰幅にして立ち、膝を曲げて重心を落とす
②吸いながら手を前から上、吐きながら後ろ側を通って下へ
③血の巡りがよくなるスクワットな動きで太ももの筋肉を鍛えられる
ターゲットポーズの前に4回
老化対策
→ワイドヒップリフト9秒キープ
加齢とともに何もしなければ筋肉量が減る。
大きな筋肉を使い、筋肉量をキープしましょう
①あおむけ。手は体の横に置く。
②膝を立て、踵を手の中指に近いところに持ってくる。
③足幅を少し広めにし、両ひざを内側に寄せる
④吸う息でおしりをゆっくりと持ち上げる、そこから自然呼吸
このとき、なるべく膝をぎゅーっと寄せるように力を入れておく
⑤おへそにも力を入れ、おしりの穴もきゅっと閉める(9秒キープ)
骨盤底筋も鍛えられるので尿漏れ予防にも。
朝と夜にやってみるといい。
子連れヨガ(低めの体勢が多い)
とらのポーズ
①よつんばいになる。手は肩の真下、膝は腰の真下にくるように。
②息を吸って右足を床と平行の高さまで後ろに持ち上げる(腰がそり過ぎない)
③左手を前に伸ばす、その手は床と並行
④息を吐いて、肘と膝を近付けてみる
⑤吸って、手足を伸ばす
左右3回ずつ
時間がない人は椅子ヨガ
①座骨をしっかり立てて椅子に座る
②左手で椅子の座面の左側をつかむ
③右手を大きく、斜め下から回し上げていく
④右肩のところに手が来たら、いったん肘を曲げ、そこから手のひらで天井の空気を押し上げるようにしてみる(肩甲骨が剥がされている感じになっているか)
⑤そのまま手を後ろへ回し、後ろに壁があって手のひらで押していくような感じで、下ろしていく
2回繰り返す
ふくらはぎポンポン
①左足の膝の皿に右足のふくらはぎをのせる
②そのまま膝にふくらはぎをポンポンと軽く打ち付ける
足を入れ替える
尻伸ばしのポーズ(腰痛予防に)
①右の足を左足の上にのせて、右足の裏と左ももが一直線になるようにセット
②息を吸いながら背すじを伸ばして、内ももを外側にぐっと押す
③もうちょっとできそうな人は、前屈しつつゆっくり脱力していく
3呼吸終わったら反対も
番組終盤のQ&Aコーナー
Q.女性は生理中にヨガをする場合、気を付けた方がいいこと、避けた方がいいことはありますか?
A.生理中でも自分が気持ちがいいなと思ったらやってもいい。ただ、出血量が多い時や生理痛が辛い場合はお休みしましょう。逆転のポーズは逆流血(体の外ではなく、おなかの方に血液が行ってしまう)が起こるので避けましょう。
Q.中学1年の娘にひどい肩こりと頭痛がある。子供にもヨガの効果はありますか?
A.もちろんあります。ヨガには動物の名前のついたポーズがたくさんあるので、小さい子どもさんは動物の真似をしながら一緒にやるといい。中学生くらいの子どもさんであれば、一緒にマッサージをし合いながら行うのもいいでしょう。チャレンジポーズに挑戦するのも楽しい。
Q.ヨガを習いたいけど、身体がとても硬くてはずかしい。そんな人でも習えますか?同じクラスの人たちの迷惑になりませんか?
A.ヨガは体の硬い人大歓迎。遠慮なくヨガスタジオに行ってみて。『先生の真似をしないと!』と思ってしまうとハードルが上がるけど、無理のない範囲でやってみましょう。
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自粛生活が続く中で、おうちでヨガする人が増えました。
YouTubeに上がっている動画を見ながら、という方も多かった中、ちゃんとできているかわからないという方はオンラインのクラスに参加されたようです。
司会の大吉さんもおっしゃっていましたが
『家でするヨガは、周りの目が気にならなくていいのでは』
というのは、私も、いろいろな方からの感想としてお聞きしています。
番組の中でもどなたかが「新しい時代が来た」とおっしゃっていましたが、私もそれを感じています。
そして、番組の中で登場した岡先生。
『厚生労働省の事業でヨガの効果を科学の目で調査した』とありましたが、岡先生は心療内科の先生であって、ヨガの先生ではありません。
研究に必要なデータを提出したのは、私たち。
今お勉強しているヨガの学校の仲間たちでした(^_^)
私は、ヨガのクラスの中でも「海馬が…」とか「偏桃体が…」というお話をしています。
これは岡先生の研究結果を、途中経過も見ながら、ヨガの学校でずっと学んできたからなのです。
私もいろいろと渡り歩いてきましたが、ヨガにはいろいろなスタイルがあります。
あさイチでも紹介された
『医学的視点から見てもよい結果が出たヨガ』は
『ここ』にあります(^_^)
ご一緒にヨガしましょう(^_^)/