今日もよい日

ストレスのお薬としてのヨガ。お医者さんたちも、ヨガと瞑想に注目しています。

薬師寺。たくさんの天女と再会(^_^)

 

 

7月。

 

薬師寺の蓮講座の会場に向かっていたとき。

 

お隣の建物に女性たちがたくさんいて、扉が開いていました。

 

扉の向こうには、天女がたくさん飛んでいました。

 

・・・。

 

実際に飛んでいるのではなく、建物の壁画の中の天女なのですが(笑)

 

 

あまりにも美しいので

「写真撮ることってできますか?」とお伺いすると、

その場にいた女性に

「これ、まだ公開されていないものなので…。」とやさしく断られました。

 

 

 

うつくしい天女に見惚れた2か月後、すぐ近くでじっくり向き合うチャンスが巡ってきました(^_^)

 

 

これです(^_^)/

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案内にあるとおり、うつくしい天女を描いたのは、実は、細川元首相です。

 

政界引退後は陶芸家としても活躍されていて、個展で作品を販売すると、完売してしまうくらい人気があるのだそうです。 

 

私が初めてこれらの天女を見たときは、細川元首相の絵だとはまったく知らず、でも、しばらく足が止まってしまうくらい、うつくしい天女たちに心奪われました。

 

 

先日のNHKのニュースで、この天女の壁画が一般公開されると聞き、天女に会いに行ってきました。 

 

 

入り口には『写真撮影禁止』と書かれていてがっかりしました。

 

でも。

 

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青い葉っぱの木は、お釈迦さまの象徴の菩提樹です。

 

 

ルール破りをしたわけではありません(笑)

 

進行役のお坊さんが

「ここは写真撮影は禁止なのですが、今から1分間だけ撮影タイムを設けます。『細川さんの写真を撮ったら天女も入っちゃった♪』という感じで撮るならOKです(笑)」と。

 

薬師寺のお坊さんは茶目っ気たっぷりでお話上手です(笑)

 

細川さんの写真の1枚目、下の方を見ると、みんなカメラ構えてます(笑)

 

 

 

写真撮影の後は、細川さんのトークタイム。

 

なぜ細川さんが奈良の薬師寺の壁画を描くことになったのか、というお話から始まりました。

 

細川さんの奥様の佳代子さん。

 

独身だった20代の時に奈良を旅していたそうで、薬師寺にも来たのだそうです。

 

当時の薬師寺管主高田好胤(たかだこういん)さん。

 

お話上手なお坊様で、全国を行脚して楽しい話術で日本全国からお布施を集めた、あのやり手の人です(笑)

 

薬師寺法話を聴いた佳代子さんも高田管主の話術に魅了され、その後お付きの人の一人となり、高田管主の全国の説法行脚のお供をしたそう。

 

佳代子さんが細川さんと結婚するとき、高田管主に仲人をしてもらったのが、薬師寺と細川さんとのご縁のはじまり。

 

その後、2013年に当時の管主、山田法胤(やまだほういん)さんから、薬師寺の慈恩殿の壁に絵を描いてほしいとお願いがあったそう。

 

陶芸はしていたものの、絵を描くことは素人の細川さん。下調べを始めます。

 

中国の寺院や史跡に取材に行ったり、どんな絵にするか、どんな画材を使うのかなど。

 

建物の模型を1/20スケールで作り、イメージを膨らませていったそうです。

 

 

ここで細川さんの口から出てきたのが『フレスコ』という言葉。

 

京都のスーパーの話ではありません(笑)

 

フレスコ画のフレスコです。

 

細川さんは、システィーナ礼拝堂を例に挙げていました。

 

先日、私が大塚国際美術館で感嘆したあの礼拝堂です。

 

システィーナ礼拝堂の壁の絵は、このフレスコ技法で描かれています。

 

フレスコ画モルタルの上に描くのですが、ここはお寺。

 

分厚い和紙の上に同じように描いていったのだそうです。

 

細川さんの話によると、フレスコ画の絵の具(顔料)は塗り重ねることで味のある色が出せるそう、何度も何度も色を載せたのだそうです。

 

 

慈恩殿の壁画は全部で66枚。

 

大きいものは2.5×2.5メートル。

 

腰痛と闘いながら、報酬なしで6年かけて描き上げたそうです。

 

報酬なしといっても、中国への取材は薬師寺の人たちも同行してたという話ですから、取材にかかったあれこれは、お金持ちの薬師寺さん持ちでしょう(笑)

 

描き終わった今は、その腰痛もよくなりつつあるのだとか。

 

現在81歳の細川さん、体力あるなぁと思いました。

 

 

 

建物の中には、この建物(慈恩殿)の名前の元になっている『慈恩大師(法相宗の開祖)』とその周りの人々、29体の天女(飛天)と、シルクロードの風景、音楽を奏でる人々、動物が描かれています。

 

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音楽を奏でる絵のところでは、雅楽東儀秀樹さんを招いて、楽器の時代考証や持ち方などを教えてもらい、正しく書き直したりもしたのだそうです。

 

黄色がベースになっている極彩色の綺麗な壁画です。

 

 

南側には『マハーバーラタ』にも出てくるキンナラ(緊那羅)もいます。

 

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キンナラは音楽の神様たち。下半身は鳥です(笑)

 

壁画を眺めていると、あの音楽が頭に浮かびます(笑)

 

あの音楽(笑)

 

 

細川さんのお話はところどころ笑いがあって、言葉のチョイスも上品だなあと思いました。

 

山田管主から「とにかくたくさんの天女を描いてね♪」と言われ、がんばってたくさん描いたのに「熟女ばかりだなぁ(^_^;)」と言われ「7~8人は若い子もいます!」と返したこと、管主から「もっとふっくらとした感じにして」と言われたときは、ほっぺたの彩色にさらに工夫を重ねたことなど、ご本人からしか聞けないお話がたくさんありました。

 

いいタイミングで薬師寺にお邪魔することができてよかったです(^_^)

 

 

 

 

天女です。

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衣の模様にも苦心されたそうです。

 

 

 

実は帰りにこの図録を買いました。お布施代わり(笑)

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『禁転載』的な言葉がどこにも書かれてないので(笑)

 

 

 

細川さんのお話の回はすべて終了しましたが、壁画は今日(9/15)まで一般に公開されています。

 

次にこの天女が公開されるのは、来年の4月なんだとか。

 

ご興味のある方は、ぜひ今日の16時までに、薬師寺に足を運んでみてください(^_^)

 

 

薬師寺のホームページです 

https://www.nara-yakushiji.com/

 


近鉄西ノ京駅からすぐです(^_^)