今日は二十四節季の『啓蟄(けいちつ)』です。
『啓』と『蟄』にはそれぞれ意味があります。
『啓』は穴を開くという意味、『蟄』は虫などの小さな生き物が冬に土の下で縮こまっているという意味があります。
冬籠りしていた虫たちが地上に顔を出し始める時期とされているのですが、実際に虫たちが活動を始めるのは最低気温が10℃を超えてくるころからなので、あくまで「暦の上では」ということなのだそうです。
啓蟄の過ごし方
啓蟄の虫たちと同じように、私たちヒトもモゾモゾと動き出したくなるころです。
朝晩と日中の気温差が大きい時期で、寒暖差で体調を崩す方が私の周りでも多くいらっしゃいます。
朝晩の寒さに対しては身体を冷やさないようにしましょう。
それと同時に『気』を巡らせるようにします。
気を巡らせるにはゆっくりゆったりとした動きがおすすめです。(ヨガ、いいですよ(笑))
特に春の朝は、一年のうちでいちばん神聖な陽の気が満ちているとされています。
冬の冬眠状態の身体から春の活動へ向かう身体に上手に切り替えるためにも、お天気のいい日の早朝にのんびりゆっくりとお散歩することは春の養生にはとてもいいです。
よい気が満ちているといっても、気温はまだまだ低いので、衣服で調整して、寒さから身体を守りながら、お散歩しましょう。
ヨガのクラスでも呼吸法をしますが、深い呼吸は春の陽の気を取り入れるのに役立ちます。
お散歩中にときどき深呼吸をしてみましょう。(花粉症の方は無理なさらないでください)
先日いただいた質問で「口から息を吐くっていうのはどうですか?」というものがありました。
ヨガのクラスでする呼吸法は、鼻から吐いて鼻から吸っていただいていますが、体内に溜まった古い空気や古い気を外に出すのを目的にするならば、息を口から吐くのもいいと思います。
下腹部が十分にへこむまで口から息を吐き切ることで、古いものを外に出すことができます。
血圧が高い方は無理をなさらないようにしてください。
啓蟄の食べ物
冬の間にはさまざまなものが溜まります。
老廃物もその一つです。
老廃物を排出するのに役立つのが、苦みのある春の芽の食べ物。
ふきのとうやタケノコ、ワラビ、ゼンマイなどの山菜や、菜の花などがそれです。
苦みは、精神を落ち着ける働きもあります。
春先は自律神経のバランスが崩れがちですが、苦みにはこの変調を正してくれる作用があります。
食べ過ぎると吹き出物ができてしまうので、苦みを楽しむ程度にして、冬に溜まった老廃物をデトックスし、精神を落ち着けましょう。
冬の冷えも身体に溜まっています。
ネギやニンニク、ニラ、ショウガを食べて身体の中から冷えを追い出しておくと、新年度の忙しさで体調を崩すということを避けられるかもしれません。
また、春の時期にのぼせやめまい、不眠などの症状がある方は、香味野菜(三つ葉、セロリ、春菊など)を摂ると、症状が軽くなるのでお試しください。
春キャベツとあさりの酒蒸し
柔らかい春キャベツが出回り始めると、あさりと一緒に酒蒸しにして食べます。
キャベツは胃腸の働きをよくしてくれますし、解毒作用もありますから、花粉症の方にもいいかもしれません。
あさりにはタウリン(栄養ドリンクでおなじみのタウリンです(笑))が豊富で、肝機能をよくしてくれます。
女性のお悩み(生理不順、無月経、ひどい生理痛、貧血など)にも貝類はよい働きをしてくれますから、いろいろな貝を積極的に食べたいものです。
作り方はものすごく簡単です(笑)
フライパンに油を入れて熱し、砂抜きしたあさりを投入、フライパンをちょっと揺らしてあさりの表面に油を馴染ませたら、適当に切っておいた春キャベツをのせ、お酒を適当に入れてふたをし、強火のまま加熱します。
あさりの口が開き始めたらふたをとって、フライパンの中をかきまぜキャベツにも火が通ったらできあがりです。
あさりから出る塩分とうまみだけでおいしいので、調味料はいらないです。
仕上げの香りづけにおしょうゆをほんの少し入れてもいいですし、最初に油を熱するところでニンニクを入れてもおいしいと思います。
あさりは年中売られているので、ブロッコリーと一緒に酒蒸しにしてよく食べますが、春のこの時期は柔らかいキャベツで食べたりしています。
春キャベツは甘くておいしいので、ごはんが進みます(笑)
この時期の身体によい食材の組み合わせですし、とても簡単ですから、ぜひお試しください(^_^)
春は早寝早起きで元気に(^_^)