今日もよい日

ストレスのお薬としてのヨガ。お医者さんたちも、ヨガと瞑想に注目しています。

こんな時こそ 『抑目静耳』

 

 

空を見上げると、なにもなかったかのような朝です。

 

しかし、地面に視線を落とすと、台風21号の強い風と雨によって落とされた木々の枝葉や、どこからか飛んできた物が転がっていたりします。

 

 

昨日の関西地方は

『列車の運行も早い時間に取り止めます』という、

前日からの予告があったのもあって、自宅待機の方も多かったと思います。

 

そんなみなさん、おうちで何をなさっていましたか?

 

 

東北の地震の時のこと

 

7年前の3月11日、私はお勉強に出掛けていました。

 

ぐらぐら感があったので

『揺れているなあ、めまいかな。昨日は遅くまで宿題してたから寝不足だからかな…』

と心の中で思っていたのですが、その場にいた仲間たちも揺れを感じていたのでした。地震です。

 

お勉強の場所は兵庫県内。

 

場所柄、阪神大震災を経験した方も多く、揺れを感じたことで当時を思い出して、気分が悪くなる方もいらっしゃいました。

 

帰りの電車でケータイのテレビで地震の情報を見ましたが、言葉を失うような東北地方の光景が画面には映し出されていました。

 

家に帰ってからも、被災地の情報が気になって、ほぼ一晩中、テレビにかじりついていました。

 

 

それは翌日以降も。

 

 

家にいる間、何もすることができず、昼夜関係なく、テレビの画面から流れてくる地震の後の光景をずっと見つめていました。

 

現実的でない現実に打ちのめされて、泣きながら見ていることもありました。

 

 

そんなことを数日に渡って続けていたら、睡眠不足は当然のこととして、心がやられてしまいました。

 

地震のことに接していなくても、突然涙が出そうになってしまうのでした。

 

 

不安定な感情のせいで日常生活や仕事に支障が出そうになったときに、心が地震の光景に囚われてしまっていることにようやく気付き、決心してテレビを一切見ないことにして、少しずつ復活することができました。

 

ロックバンド『スピッツ』のボーカル、草野マサムネさんが、急性ストレス障害になってしまい、予定されていたライブが中止になったというニュースが当時ありました。

 

彼も同じように、震災に心を囚われてしまった結果の発症だったそうです。

 

 

再び質問します

 

昨日、おうちにいらっしゃった方は、何をなさっていましたか?

 

震災の時の私のように、ずーっとテレビを見て、目に入ってくる台風の後の光景に心を痛めたり、驚いたりしていませんでしたか?

 

東洋医学では、秋は心を静かにさせる時期。

  

夏の疲れが抜けきらないこの時期に、感情が高ぶり、乱されるようなあれこれは、身体だけでなく心の疲れをひどくしてしまいます。

 

 

夏の終わりの今、また、台風で普段とは違う精神状態(不安、心配、驚き、悲しみ、同情など)に陥ったときに試してみていただきたいことがあります。

 

それがこの記事のタイトルの

『抑目静耳(よくもくせいじ)』です。

 

 

 

東洋医学の考え方に、

 

目や耳から入ってくるものは、直接、人の精神(心)に影響を及ぼすので、目や耳を乱用しないようにし、たまに目や耳を静かにさせて、心をクールダウンさせましょう

 

というものがあります。

 

 

◆テレビを見る時間を減らす

 

◆いつも音楽を聴いているのであれば意識して聴かない時間を作る

 

スマホを見つめる時間を減らす

 

 

などがそれに当たります。

 

 

外部からの刺激を減らすだけで、脳の疲れが取れて、健康(特に心)の役に立つのです。

 

 

 

抑目静耳のやり方を書きます。

 

興味があったら試してみてください。

 

 

1. それぞれの耳の穴に、それぞれの手の親指を差し込んで耳の穴をふさぐ

 

2. 残りの4本の指は、閉じたまぶたをそっと押さえる

 

 

これだけです。

 

これをすることで、テレビも何も見られなくなりますし、両手も使ってしまうので、スマホに触ることもできなくなります。

 

耳の穴は指でふさがれているので、イヤホンを入れることもできなくなりますし、音も聴こえません。

 

 

抑目静耳は、強制的に、耳と目を休める方法です。

 

 

もしよかったら1~3分ほど、試してみてください。

 

雑念や考え事が浮かびやすくなりますが、呼吸や心拍の音に意識を向けるといいと思います。

 

 

ヨガの呼吸法でも『抑目静耳』

 

ヨーニムドラーを使って呼吸する方法もあります。

 

ムドラーは印(手の形)、ヨーニは子宮という意味を持つサンスクリット語です。

 

ヨーニムドラーで呼吸すると、心拍の音や血流の音が頭の中に響き、まるで胎児の気分に戻れるかもしれません。まさにヨーニ(子宮)。

 

 

まずは手の作り方と置く位置です。

 

1. それぞれの耳の穴に、それぞれの手の親指を差し込んで耳の穴をふさぐ

 

2. 人差し指で閉じたまぶたをそっと押さえる

 

3. 中指を2つの鼻の穴の横に添える

 

4. 薬指は唇の上に置く

 

5. 小指は唇の下、またはあごに置く

 

 

危険のないように今回は簡単バージョンをご紹介しています。

 

この形のまま、鼻から、いつもよりも少し深めの呼吸を繰り返します。

 

時間は1分くらいで大丈夫です。

 

雑念が浮かびますが、身体からの反応をよく観察しながらやってみましょう。

 

 

外からの刺激をシャットアウトした呼吸法、心がとても落ち着きます。

 

なにやらリセットされる感じが生まれるかもしれません。

 

仕事やお勉強の後の脳疲労や、目の疲れにもいいです。

 

よかったらお試しください(^_^)

 

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情報化社会の到来は、便利になった一方で、世の中の流れに置いて行かれる不安、頭の中が情報過多になり疲弊するというよくない側面もありますね。