大神神社のささゆり園で癒されたあと、もう一つの目的である登拝(とはい)へ。
大神神社は、大物主大神らが三輪山(みわやま)の中に鎮座しているとされています。
お祈りをするときに向かう建物に神様はいません。
建物は『本殿』ではなく『拝殿』と呼ばれています。
拝殿の奥にある三輪山が神様で、それを拝む形ですから、アニミズム、八百万神(やおよろずのかみ)という考え方にぴったりマッチしています。
その三輪山に入山するのが登拝です。
「登山ではなくお参りですので、頂上に行くことを目的にして無理をしないように」と神職の方もおっしゃっています。
拝殿から狭井神社へ
大神神社の拝殿をお参りしたあと、ささゆり園や祈祷殿を通って、さらにくすり道を通っていくと、狭井神社(さいじんじゃ)にたどり着きます。
途中に池があったり摂社がありますが、徒歩で5分ほどで到着。
これから向かう狭井神社は おくすりの神様です。
くすり道には漢方で使われる植物が植栽されています。
おまつりの日には製薬会社のお偉い方々も参拝なさるそうです。
飲料水の確保(笑)
お山に入るには狭井神社社務所で手続きが必要なのですが、その前にしておきたいことがあります。
まずは狭井神社で、無事に下りてこられるようにお参りをします。
あ、狭井神社は大神神社の荒魂(あらみたま)なので、個人的なお願いがOKな場所なのです(笑)
次にお水を汲みます。
拝殿左奥に、お水を分けていただけるところがあります。
雰囲気のある文字で『霊泉』と書いてあります。
ちょうど水質検査をしていました(笑)
神職の方と業者さんの二人でなさってました。
ボタンを押している間だけ水が出ます。
以前来ていた時より進化しました(笑)
この湧水はくすりの神様からの贈り物なので、御神水とかくすり水と呼ばれています。
病気平癒、身体の健康、福寿延命などのご利益があるとされています。
マナーのいい方が多いのか、存在があまり知られていないのか、他の水の名所のようにガツガツと汲んでいく人を見かけたことがありません(^_^)
ご利益あるだけでなく、おいしいお水です。
私も登拝中に飲む分を、持参したペットボトルにいただきました。
登拝手続きをします
水の確保が終わり、これでもう飲み水については安心です(笑)
社務所で、登拝の受付をします。
受け付け時間は9~14時、下山は16時までに、という決まりがあります。
「お山に入りたいのですが」と私は声をかけます。
どなたかが
「登山したい」と言ったら
「登山ではありません」と注意された、という話を聞いたことがあるからです(笑)
この用紙が渡されますので、ところ(住所)、なまえ、電話番号(ケータイ番号を記入)の三か所を書いて、300円とともに神職の方にお渡しします。
鈴のついたたすきを渡されますから肩にかけます。
隠してありますがナンバリングされています。
お山から戻ったらこのたすきを社務所にお返しするのですが、うっかりと忘れて返さなかったらケータイに電話がかかってきて、さらにうっかりと着信に気付かずいたら、夕方から山岳捜索隊の出動となります(^_^;)
と説明していただきました。
余分な荷物はあとからお金が返ってくるロッカーに預けることもできます。
登山(こら!(笑))は軽量化がミソと聞いています(笑)
知らんけど(笑)
お山に入ったら、写真を撮ることも飲食もできません。
なのでカメラとおやつは不要(笑)
ただひたすら登っていくだけですから、お賽銭用小銭とお水だけ持って行ったらいいのです。
私は荷物を持って登り、山を下りてから『荷物置いていけばよかったなー(^_^;)』と気付いたのでした(笑)
さあ、この白い紙のついた棒でシャッシャッと自分でお祓いしましょう(笑)
でも作法とかわからない(^_^;)
安心してください(笑)
自祓いの仕方が親切に説明されていますから、よく読んでこの通りにしたらOK。
手水舎で手を清めるときと同じ順序で左右左です(^_^)
心をこめて振りましょう。
ちなみにこのシャッシャッとする白い紙のついた棒、おおぬさ(大麻)という名前です。
いざ鎌倉ならぬ、入山です!
お山の中は撮影禁止です。
なので写真は一切ありません(^_^;)
登拝受付のときに「初めてですか?」と聞かれます。
「初めてです」と答えると、下の案内図をいただくことができます。
心得をしっかり頭の中に入れて、お山に入りましょう。
敬虔な気持ちを持って静かに登って行き、そして、無事に帰り、社務所にたすきをちゃんと返しましょう(笑)
飲食禁止とありますが、水分補給はOKとのことです。
お山に入るのは初めてではありませんでしたが、この案内図ができてから登ったことがなく、でも案内図がほしかったので、その旨お伝えして、分けていただきました。
地図中に「①」など数字がありますが、実際にお山に入ると、その番号のところには立派な案内標識があって、緊急連絡先(大神神社と桜井警察署)の番号が書いてあります。
緊急事態が起こったときのために設置されたのでしょう。
パワースポットブームがやってきて、人が集まるようになると、こんないいこともあるのですね(笑)
これまでにも何度も登拝してきましたが、道も丸太の階段が作られたりして整備され、ずいぶんと登りやすくなったなあという印象です。
以前は、土まるだしの急こう配があって、下りてくるときにずるずると滑ったことも(^_^;)
案内図には3~4時間かかると書いてあります。
社務所の神職さんもおっしゃっていましたが、早い人だと1時間半~2時間弱で降りてくるそうです。
お天気もよく、登っているうちに汗だくになりました。
虫も飛んでいるので、通常の登山のように長袖長ズボンと、歩きやすい靴がいいです。
しかし、裸足で登っている人を3人ほど見掛けました。
神様のお山なので土足では失礼だろうと考える人たちです。
お山の中で30人の人と出会いまして、そのうちの3人が裸足。
ゆっくりと、地面を踏みしめるように、味わうように歩いていました。
小石もありますし、急な斜面もあります。足の裏、痛くないのかなあ。
裸足の人のために、足洗い場が社務所の横に完備されています。
一定の割合で裸足の人がいらっしゃる証です。
登りの道は結構きついです。
測ってみたら心拍数が180を超えていました(^_^;)
もちろん呼吸も激しく乱れます。
一歩一歩と足を進めるたびに、たすきについている鈴が鳴ります。
鈴の音は、穢れを払ってくれます。
神社にはお参りする頭上に鈴がありますよね。
それを鳴らすことで、神様に「こんにちは、きましたよー」とご挨拶するのと同時に、お参りの前に自身の穢れを払うのです。
頂上までとてもしんどくて、頭がくらくらしますし、まだかなまだかなと邪念が浮かびますが、鈴の音に包まれながら登っているうちに、もうひたすらに足を前に進めることだけ、という無の状態に近づく瞬間が何度もありました。
頂上のお社に到着すると『やったー(^_^)/』と思うのですが、実はさらに奥に磐座(いわくら)があります。
『えーっ(^_^;)』 と思うのですが、ほんのちょっと先なので安心してください。
磐座まで行って手を合わせ、またお社に戻ります。
石でできた椅子がありますので、そこでちょっとだけ休みます。
着ているものも汗だくです。
上着を脱ぐと風が涼しく、ちょっと風邪をひきそうです(笑)
私の場合は、お社で休憩するまで42分でした。
(途中、立ち止まって休憩したかったけど頑張ってみました(笑))
ベンチで10分ほど静かにストレッチと瞑想など。
で、お山を下ります。
登ってくるときは心臓も肺も悲鳴を上げていましたが、帰りはらくらく~(^_^)/
、と思いきや、ひたすら下りなのでふとももやふくらはぎに負担がかかります(^_^;)
ちょっと立ち止まると、膝だけでなく脚全体が笑っている感じがあります(^_^;)
足の疲れがあってあまり踏ん張れないので、下るときこそ、注意して足を運ばないと、捻挫したりします。
社務所にたどり着くまで気は抜けません(^_^;)
でも、おもしろいことに、登りのときに目に入らなかったあれこれが、下りでは目に入ってくるのです。
人生も、ひたすらに前を向いてがむしゃらに歩いていると周りが見えないけど、力抜いて下っていくと周りが見えるようになる、というお話を聞いたことがありますが、こんな感じなのかなあと思い出していました。
そんなこんなを思いつつ、ちょっとときどき足元が怪しくなりながらも、無事に下りてきました。
たすきをお返しし、ありがとうございました、とお礼を言います。
拝殿に向かってもお礼を言います。
下りるのにかかった時間は35分でした。
7~8年くらい前に登った時とほぼ同じ時間です。
でも、しんどさがずいぶん増していた感じがあるので、年取ったなあと思いました(笑)
癒しの音
再び、拝殿横のお水を飲みに行きます(笑)
ペットボトルなどがなくても、たくさんのコップが置いてありますので、どなたでもお水を飲むことができます。
汲み立ての新鮮なお水で、生き返ったような気持ちになります(笑)
ちょっと目を向けると癒しのスポットが(笑)
清浄の音、と下の方に書いてあります。
気付かずに通り過ぎる人が多いのですが、もったいない!(笑)
この竹の筒に耳を近づけると綺麗な音がします。
私の大好きな水琴窟です(^_^)/
身体も 耳もすっかり涼しくなりまして、大神神社を後にします。
身体はくたくたですが、気分はとてもいいです。
神社の中の清浄な空気をたくさん身体の中に取り入れ、鈴の音で穢れを落とした結果かなあと思います。
また、汗をしっかりかきましたから、湿邪も出て行ったと思われます(笑)
おまけ
前回登った時(たぶん5年前)は、江原さんの本をよく読む友人と一緒でした。
その友人の話によると(=たぶん本の中で江原さんが言っていること(笑))、大神神社には女性的な柔らかい気が満ちているんだそうです。
心や体が弱っていて、エネルギーの充電をしたいときは、この大神神社がいいと言っていました。
そして奈良にはもう一か所、最強の気が満ちたところがあるんだそうです。
天理にある石上神宮(いそのかみじんぐう)というところです。
大神神社から北へ、車で25分ほど走ったところにあります。距離にして10kmくらいです。
石上神宮は男性的な強い気に満ちた場所だそうで「弱っているときに行くと、さらに弱るから、大神神社だけにしないといけない」とか友人は言ってました。
『なんじゃそれ(^_^;)』 と思ったのは内緒ですが(笑)、石上神宮もいいところです。
しっぽがとても長いニワトリたちがあちこちで放し飼いになっているので、見ていて楽しいのです(笑)
たまにお社の屋根に登ったりしているニワトリもいますが、神様のお使いなので、バチは当たらないのでしょう(笑)
最強のパワースポット!とか呼ばれる場所が増えて、ご利益を求めてあちこちの神社に行ってしまいがちですが、伊勢神宮同様に、個人のお願いごとは控えめにしたほうがいいのかなあと思っています。
私はどちらにお邪魔しても
「こちらにご縁を頂きまして今日来ることができました。ありがとうございます。」
と唱えます(^_^)
そのおかげかわかりませんが、いまのところ、人生はうまくいっているようです(笑)
三輪山の登拝に興味を持たれたら、いまが登る時です!(なんちゃって(笑))
体力や体調、お天気と相談なさって、ぜひ登ってみてください。
大神神社のお参りとササユリを見るだけなら体力はいりませんから、ぜひササユリが見られる18日までにおでかけください(^_^)