今日もよい日

ストレスのお薬としてのヨガ。お医者さんたちも、ヨガと瞑想に注目しています。

八月納涼歌舞伎を観ました (歌舞伎座)

 

 

7か月振りに

 

久し振りに東京へ。

 

行き先は歌舞伎座です(^_^)

 

8月は中村屋さんメインの月、と勝手に解釈(笑)

 

『夏は歌舞伎じゃ人が入らない』ということで貸館だった歌舞伎座で、七之助さんのお父さんである勘三郎さんが、巳之助さんのお父さん(三津五郎さん)とともに歌舞伎を上演することにしたのが、納涼歌舞伎の始まり。

 

なので、中村屋のお弟子さんたちにも、スポットライトが当たり、すごい大物さんたちと同じ舞台に立てたりして(^_^)

 

昨年の納涼歌舞伎は観に行くことが叶わなかったこと、おととしの8月は、今年春にシネマ歌舞伎として上映された『桜の森の満開の下』を観たなぁ、など、いろんなことを思い出します。

 

今年の納涼歌舞伎はお兄さんの勘九郎さんがいないので(大河ドラマの関係)、ちょっと寂しい。

  

 

錦秋特別公演は、堺も京都も観に行けないので、兄弟での共演を観られるのはいつになるのやら(^_^;)

 

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伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)

 

中村屋ファミリー

七之助さんは政岡いう名前の乳母の役です。

『飯炊き(ままたき)』という見せ場があるのですが、本当に所作が美しい(^_^)

お仕えする家の子どもを守るために自分の子を犠牲にする、という歌舞伎によくあるお話なのですが、実の子どもの役が、お兄さん勘九郎さんのところの長男(勘太郎さん)が勤める、というところがとてもよく。泣けました(^_^;)

ちなみにお仕えする人の家の子どもは勘九郎さんのところの次男(長三郎さん)。

中村屋エッセンスが濃厚な舞台。

2人ともまだちっちゃいのに、ちゃんと芝居をしていて、完全に役者でした(^_^)

 

幸四郎さん

女形の役を見るのは初めて!

八汐という役で、七之助さんにとっての敵役です。

政岡の実子をなぶり殺しをするという残酷な人

ものすごく悪い、この世の極悪人みたいな冷たさがある役でした。

実は二役。

このお話の後半では仁木弾正という役で、どろどろと登場するのですが、これもまた悪そうな人で(^_^;)

二役どちらとも、ものすごくインパクトがありました。

 

 

闇梅百物語

 

彌十郎さん

狸です(笑)

身体の大きな狸だなあと思いながら見ていました。

河童(種之助さん)と、拾った傘を取り合う場面は、身体の大きさの対比もあって、コミカルでおもしろかったです。

 

歌昇さん

歌昇さんのふくらはぎ!!!

ものすごくたくましく、スポーツ選手かと思うくらい、しっかりみっちりと詰まった、よいふくらはぎでした(笑)

そのふくらはぎの持ち主が傘一本足(唐傘お化け)の役。片足でしっかりと踏ん張っています。筋肉フェチの私は目が離せませんでした(笑)

 

扇雀さん

伽羅先代萩では、七之助さんの敵役。冷たいお役でした。

この百物語にはたくさんの妖怪が出てくるのですが、一番美しく気高い妖怪。

綺麗だなぁと見惚れました。

 

幸四郎さん

骸骨の役です。

暗闇にも光る蛍光塗料で作られた衣装を着ています。

ふにゃふにゃと踊っているのですが、そのうちに手足がバラバラになります。

場内からも「わぁー」という声が上がっていました。

そのあとは衣装を変えて読売の役。

その場面で鶴松さんがお姫様の役で出てくるのですが、しっとりと美しいお姫様。いつからこんな色気が?

 

 

 

東海道中膝栗毛

 

前回を見ていなかったのですが、死んじゃってたんですね(笑)

でも復活していました(笑)

 

猿之助さん

中村屋ばかり観劇しているので、あまりお目にかかる機会はなく。

ふざけている場面でもやっぱり何かすごみがあるというか、格が違うなあと思うところがところどころありました。

梵太郎(染五郎さん=幸四郎さんの息子さん)と政之助(團子さん=中車さんの息子さん)と、弥次さん(幸四郎さん)との4人の絡みは、それぞれが血縁、それをネタにするものがちりばめられていて、ものすごく笑えました。

 

七之助さん

七化けのお七という役です(笑)

このお話の中では、女スリ、女役者、船頭、女隠密、女韋駄天と5つの役をします。

弥次さん喜多さんから「七化けって言ってるけど、数えたって5つじゃない」と指摘されます(笑)

「一部と三部合わせて、七つのお役をやらせていただいています。」とお辞儀。場内からは拍手です(笑)

どの役もおもしろかったのですが、いちばんインパクトがあったのは女韋駄天。

そう、お兄さんの「いだてん」にかけていて、名前は『お三四』。

金栗四三(かなくりしそう)の逆の並びでもあり、三と四を足すと七(笑)

衣装も、大河のいだてんと似せてありまして、みんな笑っていました(笑)

花道を去るときは、韋駄天らしく駆け抜けていくのですが、ものすごく速い!!

これを毎日しているのですか…。すごいです(笑)

 

隼人さん

このお話の中には古典歌舞伎のいろいろな名作がぶちこまれているのですが(笑)、隼人さんが出てくる場面は、切られの与三郎と女殺油地獄のミックスです(笑)

イケメンなので与三郎の役がとてもお似合い。

そしてここでうれしいのは、とろろ飯屋が舞台であること。

 

 

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真夜中の弥次さん喜多さんという映画が昔にありました。

主演は長瀬智也さんと七之助さん。

 

 今でもたまに見ます(笑)

真夜中の弥次さん喜多さん Blu-ray スペシャル・エディション

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今の地上波では放送できないかもしれませんが、2人は男性愛者同士(七之助さんは薬物中毒(^_^;))でお伊勢参りに行こうぜ、というお話です。

その中に、七之助さんのお父さんである勘三郎さんが出てくる場面があります。

勘三郎さんの役は、東海道を旅をする人たちに『とろろ飯』を食べさせるアーサー王という役(笑)

「夜でもアーサー!(笑)」というセリフでおなじみ(笑)

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隼人さんが出てくる場面での『とろろ飯屋』の設定は、8月の暑い時期に、この納涼歌舞伎を始めた勘三郎さんへのリスペクトなのだろうなあと思いました。

 

そして、女殺油地獄ではお馴染みの油まみれになる場面は、油ではなくとろろが一面に広がり、爆笑の渦です(笑)

みんなが豪快に滑りまくっているので、ケガしないかなと心配にもなったり(^_^;)

とろろ地獄の混乱で、切られの与三郎のように顔を切られてしまった隼人さん

弥次さん喜多さんの紹介で、名医(実はヤブ医者)のところで治療してもらったのですが、包帯を取ったときの顔!!!

どこにもイケメンの気配がない、なんともすごいお化粧でした(笑)

あれはおなかが痛くなるくらい笑いました。

 

 

鶴松さん

一部でもそう思ったのですが、登場したとき、いつの間になんと色っぽく、うつくしくなったのだろう、と思いました。

2階の窓辺に座って、団扇をゆらゆらと動かしています。

そこへ弥次さん(幸四郎さん)がやってきて、1階と2階で二人のやり取りがあるのですが、アドリブが入っているようで、最高に面白いのです(笑)

鶴松さんの、それまでのいい女っぷりが台無しになってしまうくらいの(笑)

涼やかな顔で座っている場所が、実はあんな風になっているとは…(笑)

 

 

この演目、ずっと笑っていました(笑)

弥次さん喜多さんの早替わりがすごくてびっくり!いつの間に!!と何度も思いました。

そして、染五郎さんと團子さんをこの時期に毎年観ることで、2人が少年から大人になっていく過程を見守る感じにも。

とにかく面白かったので、シネマ歌舞伎になったら、たぶんまた観に行くと思います(笑)

 

 

 新版 雪之丞変化(しんばん ゆきのじょうへんげ)

 

ネットでは賛否両論ありました。

私はこれはありだなと思いました。

獅童さんの超歌舞伎みたいに、映像と本物の融合があり、昔の玉三郎さんと現在の玉三郎さんを上手に組み合わせていました。

そして、舞台装置は本当にシンプル。その分役者さんの演技力が試されるんじゃないかと。

でも出演されているのはどの方も素晴らしい方。問題ありません(^_^)

 

ただ、ちょっと混乱しちゃうのは、みなさんの年齢の設定(笑)

実際は一番お若い七之助さんが、役の上では一番年上で、役者としても先輩であること。

これがちゃんと頭に入って、納得していないと、玉三郎さんに掛ける先輩としてのアドバイスが薄っぺらく…(^_^;)

すっきりした綺麗な七之助さんが男前すぎてキラキラしていたのでよしとしますか(笑)

 

 

玉三郎さん

綺麗でため息がでます。

どうしたらあんなに美しく、もちもちとしたお肌でいられるんだろう…。

一番年下の役、という設定なので、それらしい感じでセリフを言ったりしています。それがとても新鮮でした。

映像の中で『浪路』という女性を演じていて、それが、舞台上の雪之丞に惚れるという場面があります。浪路は後ろ姿だけなのですが、ものすごく色気があります。悲恋に終わるのですが。

同一人物が何役も演じますが、違いがきちんとわかりましたし、お話も分かりやすかったです。玉三郎さんの企画監修なのだそうですが、すごい仕掛けを考えたなあと思いました。

 

中車さん(香川照之さん)

5つの役をします。

どれもしっかりとキャラクターが立っていて、衣装も全然違うので、まったく混乱しません。歌舞伎をする前にずっと役者さんをされていたベースがあるので、どの役も本当にお上手。東海道中膝栗毛でカマキリ侍の役をしていた人とは思えません(笑)

 

 

七之助さん

後輩である玉三郎さんに対して、七之助さんがかける言葉。

一つ一つをしっかりと聴いていると、役者として、人としての心構えみたいなものがたくさん込められています。

これは玉三郎さんが七之助さんに教えたいことすべてであるなとわかります。

セリフとして自分の中に入れ、1か月の間演じ、セリフとして口にすることで、玉三郎さんの教えが七之助さんの肉になっていくのだと思います。

アフォメーション的な(笑)

私が歌舞伎を観るようになってからまだ5年ほどですが、その5年の間にも、七之助さんは情感こもった素敵なお芝居をなさるようになったと感じます(生意気ですみません(^_^;))。

玉三郎さんは、お父さんがいなくなってしまった七之助さんを大事に育てているのでしょうね。素敵です。

 

いてうさん

中村屋ではお馴染みの人です。

最後、みんなで踊るところ。

勘三郎さんにそっくりです。

私は勘三郎さんの生の舞台を観たことはありませんが、まだご存命だったらこんな感じなのだろうなとしみじみしてしまいました。

 

  

私は、第一部から第三部までぶっ通しで観ました。

第三部のこのお話の中には、一部の 伽羅先代萩を舞台上で演じているという場面があります。

一部と三部がつながっているような不思議な感じがあって、一部と三部はセットで観たらいいものなのだろうなと思ったり。

 

 

 

1日通して、どの演目も、夏のお祭り騒ぎみたいな感じで楽しめました。

 

納涼歌舞伎を観に来ることができてよかったなーとしみじみ思いました。

 

来年の納涼では勘九郎七之助さんががっぷりと組んだ演目が観たいです(^_^)

 

弾性ストッキング、大活躍(^_^)/ 

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