2019年6月11日に放送された『たけしの家庭の医学』。
『不眠を解消する科』にヨガが取り上げられていたので文字起こしを(^_^)
加齢とともに多くの方が抱える『不眠』
・夜中に目が覚めてしまう
・朝起きてもスッキリせず、疲れが残っている
みんなの願いは『ぐっすり眠って、スッキリ起きたい』。
しかし現実は、60歳以上で不眠の問題を抱えている人は3人に1人くらいいるそうです。
ワシントン大学の研究ではマウスの実験
21日間、
①睡眠時間を4時間に制限したマウス
②睡眠制限なしのマウス
に分けて、認知症の原因物質と言われている
アミロイドβの蓄積量を比較しました。
②にはアミロイドβが少なかったのですが、
①よく眠れていないマウスの脳内には
大量のアミロイドβが発生していることがわかりました。
睡眠不足は健康の大敵なのです。
若いころは問題なく眠れたのに、年を取るにつれ眠りが浅くなるのはなぜ?
その謎の解明
比較のために、2人の女性が登場します。
①21歳(一度寝たら8時間は起きないという快眠代表)
②70歳(毎晩必ず1回以上は目が覚めるという不眠代表)
普段の睡眠状況をチェックするために、それぞれの家で、頭にセンサーをつけ、脳波を測りながら一晩寝てもらいました。どれだけ深く眠れているか脳波で確認できるのです。
出てきた脳波が覚醒ラインを下回り、さらに下がれば下がるほど深い眠りに就いているということです。
①快眠代表21歳女性
わずか10分後、脳波がぐっと下がり深い睡眠状態に。3時間が経過しても脳波は覚醒ラインよりも下のまま。
「よく眠れました。身体の疲れは特にありません。」
寝起きも快調そうです。
②不眠代表70歳女性
「夫のいびきで起きるときがあります。」
夫と同じベッドで寝ているこの女性。夫より早い時間に寝床に入ります。
横になっても脳波はずっと覚醒ラインのまま。
20分後ようやく脳波が下がり始めましたが、1時間ほどで上昇、覚醒ラインに到達して目を覚ましてしまいます。
その後夫が寝室へやってきます。寝る場所が決まっていて、女性の向こう側が眠る定位置のため、女性の顔をまたぎ、ベッドを揺らして就寝します。
これでは女性の脳波が下がるはずはありません。
その後も脳波が下がらないままの睡眠が続き、午前4時、完全に目が覚めてしまいます。
脳波からわかるこの日の睡眠時間は3時間45分。
「今日の眠りはすごくだらだら。浅い眠り。これで1日もつのかな。」
この女性も若い時はよく眠れていたそう。
なぜ年齢を重ねると眠れなくなってくるのでしょう?
意外な理由・・・ドキドキ感が睡眠の質を決める?
カメラは睡眠の名医のもとへ。
愛知県一宮市にある上林記念病院。登場したのはこの病院の院長で、日本睡眠学会理事でもある山田尚登先生。
眠りのスペシャリストです。
先生「眠れない人と眠れる人では、興奮した時や心配になった時に感じるドキドキ感が違うかもしれませんね。」
・ドキドキする感じ方の違いが、睡眠と関係がある??
先生曰く、同じことをしても若いころはドキドキしたのに、年齢を重ねていくとドキドキしなくなる。
そこに眠れる人と眠れない人との境界線があるとのこと。
検証
日常生活のドキドキ感にどのような違いがあるのでしょうか?
ドキドキ=心臓の鼓動回数。心拍数を調べる心拍センサーで測定します。
条件
条件を同じにするため、お二人には番組が用意した部屋で、別々の日に、心拍センサーをつけたまま、一日を過ごしてもらいます。
①快眠代表21歳女性と、②不眠代表70歳女性。2人のドキドキ感はどれだけ違うのでしょうか。
心拍数計測生活スタート
①快眠代表21歳
・入室してすぐ部屋(特にキッチン)を見るだけで心拍数が上昇。ドキドキが止まらない。
・テーブルにある雑誌の大好きな占い特集を見てドキドキ。
・見るもの触るものに感動しきり。
・ランチタイム「何でも好きなものを用意します」というスタッフの言葉にドキドキ。
・食事のメニューを10分くらい眺めている間もずっと心拍数が高い。
・散歩に来た庭園:テンションが上がっている。インスタ映えすると写真を撮って心拍数が上がりっぱなし。
・ポテトチップス型びっくり箱:心拍数が140に急上昇、しかしすぐに下がった。
②不眠代表70歳
・豪華な部屋に入って「素敵☆」という言葉とはうらはらに心拍数は上がらない。
・ランチタイム「好きなものを用意します」。心拍数上がらず、メニューも見ずに「お寿司にします」と即決。
・実際にお寿司が運ばれてきて、大好きな海老の握りを食べているときは、心拍数が上昇開始。なかなか収まらなかった。
・散歩に来た庭園:心拍数はいたって平常。しかし、カモを発見したとたん、心拍数が緩やかに上昇。
・ポテトチップス型びっくり箱:心拍数急上昇、上がった心拍数がなかなか元に戻らず、元に戻ったのは2分後。
結果
①快眠代表:ことあるごとに心拍数上がり、下がるスピードも速い。1日の推移を見ても大きく波打つようなグラフになっていた。
②不眠代表:心拍数の上がり方も下がり方も緩やか、1日を通しても平坦なグラフだった。
心拍数と睡眠にはどんな関係があるのでしょうか?名医に聞きます。
「例えば、走ったり運動したりすることによって、心臓はドキドキしますよね。それとは別に心配したり怖いもの見たりするときにも心臓はドキドキします。こういう感情的な動きによっても交感神経系は上がるのです。」
先生の言うドキドキ感。つまり心拍数を上げたり下げたりするのは自律神経です。
自律神経には
①行動するために必要な交感神経と
②休むときに必要な副交感神経
の2つがあります。
運動などで高ぶった交感神経は、副交感神経によって落ち着きを取り戻し、バランスをとっているのですが、加齢や社会環境に慣れると、この2つの上げ下げが緩やかになり、次第に交感神経と副交感神経のメリハリがなくなってしまうのです。
ポイント
先ほどのポテトチップス容器のいたずらで、無理矢理交感神経を高めたとき
①快眠代表:驚いてもすぐに副交感神経が気分を落ち着かせた
②不眠代表:副交感神経があまり働かず、気分が落ち着くまで時間かかった
これと同じことが、夜寝る時に起きているのです。
本来は日中の興奮を落ち着かせてくれる副交感神経が働かず、興奮状態が続いてしまい、結果眠りが浅くなると先生は言います。
そして、スタジオに山田尚登先生が登場。
先生は不眠に苦しむ多くの患者さんの治療に30年に渡り携わる一方、睡眠が起こるメカニズムや、睡眠が健康に及ぼす影響など、さまざまな研究を世界に先駆けて発表。日本睡眠学会理事として睡眠障害を撲滅すべく奮闘を続ける名医です。
自律神経をコントロール!ぐっする眠れる睡眠法
先生「自律神経のメリハリがなくなる原因は加齢ですが、普段の生活でも気を付けるべき点がいくつかあります。それを見直すことによって自律神経が正常に働き、よい睡眠が得られるようになるのでぜひ徹底してください。」
睡眠法1:携帯電話、パソコン、テレビ、家庭の照明は、寝る1時間前まで(なるべくブルーライトを避ける)
ブルーライト…脳に影響を与えやすく交感神経が興奮し、副交感神経が優位になりづらくするため、不眠になりやすい。照明は脳への影響が少ない暖色系の間接照明を使うなどし、リラックスすることが大切。
※ブルーライトは悪いことばかりではない。ブルーライトの強い工場ではミスが少ないという実験結果も。
睡眠法2:20分程度の昼寝をする
長時間の昼寝はよくないけれど、短時間の昼寝はいいとされています。昼寝が20分を超えると体内時計が狂い、夜の副交感神経の高まりが弱くなります。
20分程度の短い昼寝は、リフレッシュ効果があり、午後の活動量を増やし、交感神経をしっかり働かせることができると考えられています。その分、夜に副交感神経が優位になるため、深い睡眠が得られる可能性があります。
※昼寝をするときのおすすめの飲み物
コーヒーなどのカフェインが多い飲み物がおすすめ。カフェインには脳の覚醒作用がありますが、飲んだ後30分程度で発揮されます。ですから、飲んでから昼寝をすると起きる時にシャキッと爽快に起きることができるのです。
睡眠法3:山田先生がもっともおすすめ!最新の睡眠法
・不眠を改善するヨガ3ポーズ
自律神経の機能を高める効果があるとされるヨガ。その研究を行っているのが滋賀医科大学附属病院です。
特任講師の森田幸代先生のもとを訪ねました。
森田先生は3年前から大学病院では非常にまれな、ヨガを治療に取り入れる外来(ヨーガ療法外来)を設立。
日本ヨーガ療法学会の協力のもと作られた、滋賀医科大学オリジナルのヨガを患者さんに指導しているのです。
ヨガで不眠から解放された患者さん
「常に睡眠不な感じで、朝起きた瞬間からずっと眠い感じが残っている感じでしんどかったです。ヨガを始めて『ぐっすり眠れたな』『いい朝だな』と感じるようになりました。スッキリですね。」
不眠を改善!滋賀医科大学が推奨するヨガ3ポーズ
※注意点
体調に異変を感じたらやめてください。通院中の方は主治医と相談の上、行ってください。
ポーズの静止画と簡単な説明はこちら ↓ ↓ ↓
動画、なくなったみたいです。代わりの動画はこの記事の最後に(^_^)
ポーズ1
1.息を吸いながら手のひらを胸の前で重ねる
2.手と手を全力の半分程度の力で押し合い、「んー」と軽く声を出しながら、5秒~10秒息をゆっくり吐き出す。
3.息を吐き終えたら、力を緩め、手をゆっくり下ろす。この時も5~10秒かけて「んー」と声を出しながら息を吐く。
※5回繰り返し行う。座り方はどんな形でもOK.
ポーズ2
1.息を吸いながら両手を上げて手首を掴む
2.掴んだ手の方向へ5~10秒、「んー」で息を吐きながら身体をゆっくり引っ張る(横に傾く)。
3.息を吐き終えたら吸いながら身体を戻し、力を抜いて「んー」で息を吐きながら手をゆっくり下ろす。
※5回繰り返したら、反対も行う
ポーズ3
1.あおむけに寝て、片方の足を手で抱えて、5~10秒かけて「んー」で息を吐きながら足を内側へゆっくり倒す
2.倒したら、5~10秒「んー」で息を吐きながら、手と膝で軽く押し合う
3.力を抜き、「んー」で息を吐きながら元の体勢(足を伸ばしてあおむけ)へ戻る。
※5回繰り返したら、反対も行う
タイミングはいつでもOK、時間のある時にお試しください。
呼吸を意識しながら、力を入れる/抜く を繰り返し行うことで、交感神経と副交感神経を切り替える力がアップ。
深い睡眠を得られる可能性が高まるのです。
②の不眠代表さんがヨガにチャレンジ
3時間45分しか眠れていなかった不眠代表の女性のご自宅にお邪魔し、ヨガを試してもらいます。
居間には夫が。
不眠代表の女性に対してスタッフが「御主人と同じベッドで寝ているから、寝られないのもあるんじゃないですか?」と問いかけます。
女性「どうなのかしら、分けてみたらよく眠れるかもね、ハハハ(笑)」
夫が顔をまたいでいくことなど気にしないというこの女性に「どんな睡眠がほしいですか」と尋ねます。
「熟睡感を得られるような睡眠がほしい。もう少し長い時間。最低7時間くらい寝たいです。」
ヨガを伝授します。
女性はヨガ初体験。実際にやってみての感想は「簡単、もっとすごいことをするかと思っていた。やってみます。」とのこと。
検証期間は1週間、熟睡してみたいという願いは叶ったのでしょうか…
1日目
1回目のヨガ。3つのポーズを目を閉じたまま行います。
交感神経と副交感神経のメリハリ向上に努めました。
以前は寝付くまでに20分ほどかかっていたのが、その夜はわずか7分で入眠!!
その後もぐっすり眠っていますが、そこへ、睡眠の天敵である夫がやってきます。
女性のおなかをまたいでいつもの定位置へ。
すると、女性は目を覚ましてしまいます。
それ以降は寝ては起きを繰り返し、すっかり普段の状態に戻り、5時過ぎには起床。
今回の睡眠時間は若干増加の4時間でした。
1週間経って
ヨガのポーズ3つに毎日取り組んで1週間。検証終了の夜が来ました。
睡眠がどこまで改善したのか、脳波で確認します。
寝床に就き、14分で入眠、深い睡眠に突入していきます。
1時間後も脳波は深い睡眠を示しています。
そこへ睡眠の天敵である夫がやってきました。
この日もおなかをまたいで定位置に。
すると脳波は上昇を開始、しかし、覚醒ラインまでは上がりませんでした。
横で夫がなぜかストレッチを開始しても、女性はぐっすり眠ったままです。
そして30分後、再び脳波が深い眠りまで下降しました。
1週間続けたヨガの効果が現れました!
検証前に3時間45分だった睡眠時間が、検証後は5時間18分になっていました。これは1時間30分の伸びです。
しかも、朝まで1度も起きずに熟睡できていたのです。
脳波を見ると、深い睡眠が、検証前22分→検証後57分 と2倍以上も増加。
確実に睡眠の質が上がっていました。
女性「たくさん寝たなって感じがしながら、頭がすっきりした感じで起きられます。」
不眠を改善するヨガの3ポーズ。継続することでさらなる効果が期待できます。
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番組はここまでです。
ポーズはたった3つ。
まずはやってみましょう!!(^_^)/
番組HPにあるポーズの説明は大事なところが抜けているので、この記事でちょっと補足しましたが、あまり効果が感じられないときは、やり方がちょっと違っているのかもしれません。
今回のポーズ、実際にやってみたいと思われましたら、クラスでリクエストしてくださいね(^_^)
番組では触れられていなかった、大事なエッセンス込みで丁寧にお伝えします。(私のクラスに来てたら、抜けてるエッセンスに気付いているはず?(笑))
ヨガのポーズで、眠りのお悩みが解決しますように。
私はいつだってぐっすり(^_^)