今日もよい日

ストレスのお薬としてのヨガ。お医者さんたちも、ヨガと瞑想に注目しています。

広島でお勉強してきました② <小林弘幸先生>

 

今年の学会のタイトルは「呼吸と意識とヨーガ療法」。

 

今年もさまざまな先生方のお話を伺うことができました。

 

板書王の私も追いつけないすごいスピードでスライドが展開されていきましたが、がんばってメモを取りました。

 

抜けもありますが、備忘録として残しておきたいと思います。

 

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 講演タイトル:「呼吸と意識、自律神経との関連」

小林弘幸先生は順天堂大学の便秘外来の医師。テレビ番組にもたくさんお出になっている自律神経研究の第一人者でもあります。大きな企業ともコラボしていますし(漢方:ツムラ、乳酸菌:明治、住環境:大和ハウス)、ゴルフの石川遼選手、柔道の金メダリスト、野村忠弘選手、陸上競技100m走の山縣亮太選手、プロ野球楽天、ロッテ、阪神など、アスリートのコンディショニング指導でも有名な先生です。最近はお味噌汁の本を出されたそうで、講演中にちゃっかり宣伝もなさっていました(笑) 記事中の見出しは先生がお作りになったスライドのタイトルです。お話なさったことをダダーッと書いていたら訳がわからなくなったので、補足入れながらまとめました。(でもわかりにくい(^_^;) )

 

医者が考案した「長生きみそ汁」

医者が考案した「長生きみそ汁」

 

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大和ハウスとタッグを組んで研究をしていますが、居住環境というのは案外とストレスになります。 

いちばんのストレスは空調。風がダイレクトに肌に当たることはあまりよくないので、最近は風が直接当たらないようにしている空調機器が多くなっています。

 

 

人の自律神経は簡単に乱れる

 

天気が悪いと、神経痛や関節リウマチ、腰痛の方は症状が重くなることが多いです。

それは気圧が関係して、自然のこと。人がコントロールすることができません。

自律神経は乱れないようにするのではなくて、乱れをどう立て直す(コントロールする)かが重要なことなのです。

 

 

運がない、ついていないは科学で説明できる

 

例えば、包丁で指を切ったとします。切った人に聞いてみると「切るなー」と思っている人が多いのです。そこで『運がなかった』と思うのはよくありません。

切った理由は科学で説明できるのです。

『心と身体が離れた』ときにそういったことが起きます。

心が離れるというのは、行動に意識を使っていない(意識を向けていない)ということです。

意識を向けた瞬間から全てが始まるのです。

 

ミスの科学

・余裕がない

・自信がない

・予想外のことが起きた

・具合が悪い  

・環境が悪い

 

そんなときはバランスが崩れています。

例えば、朝寝坊して遅刻しそうな時に限って、家のカギをかけたかなど3往復もしてしまうことがあります。

 

バランスが崩れる要因は先に5つほど挙げましたが、そういったことが『起こる』ことを想定していれば、いざという場面でも慌てずに実力を発揮できます。予行練習がいかに大切かということです。予想外のことが起こるから、動揺してバランスを崩すとも言えます。

そんなときは自分の状態を客観視することで、ゾーンに入れます。ゾーンに入るにはルーティーンを作っておくといいのです。(ここで五郎丸選手のキックの前のあのポーズの写真が)

 

 

自律神経とは何か

 

身体のソフトウェアでもありますし、筋・骨格・臓器といったハードウェアをコントロールしていますし、生命を維持するための大切な神経です。血流をコントロールしているので、自律神経の乱れは血流の悪化につながるのです。

自律神経はよくアクセルとブレーキに例えられます。

交感神経優位の世の中では、副交感神経を高めることに注目されていますが、やみくもに副交感神経を上げることは血流がドブ川のような感じになって、あまりよくありません。アクセルとブレーキのバランスだけでなく、質も大切です。ヨガは副交感神経を上げる働きがあります。

 

 

トータルパワー

 

加齢とともに自律神経のトータルパワーは落ちてきます。それは免疫力が落ちることでもあるので、がんに罹りやすくなったりします。30歳ごろからトータルパワーは落ちてきます。

気圧が高い日は交感神経が優位になり、気圧が低い日(雨の日)は副交感神経が優位になります。

ちなみに、曜日別で自律神経のトータルパワーが強い日と弱い日があります。木曜日が最も低下している日で、バランスが崩れているのでケガなどをしやすくなります。そんな日にヨガをするといいです。もっとも強い日は金曜日。『明日から休みだー』という気分が、自律神経のトータルパワーを上げます。

 

自律神経のトータルパワーを下げるものの1つに『時間を気にする』というのがあります。時計を見るたびにドキドキしているとトータルパワーが下がるのです。なので、時間を気にしなくてもいいように、時間にゆとりをもった行動をおすすめします。

 

それと『怒ること』。

『怒る』というのは感情の動きがあります。ちなみに『叱る』は冷静な状態であるという風に科学的には違いがあります。

私も以前は手術室などで怒りのあまり、周りにどなりまくっていました。でもある時に気付いたのです。怒ることは自分の健康に悪い、なんで他人のことで自分の健康を害さなければいけないのか。そこで怒るのをやめました。お笑いでNK細胞が活性化するというお話はご存知だと思いますが、笑顔は健康にいいのです。

 

 

そして、自律神経は伝染します。悪い自律神経の流れが伝染するのです。笑顔でいましょう。

 

家族に「皿を洗ってほしい」というのを伝えるとします。

①ゴロゴロしてるのなら、皿を洗っておいて

②時間ある時に洗ってもらえたらうれしい

頼まれる側なら、どちらがいいでしょうか。

 

自分(の自律神経)が安定していると、相手も安定します。

言い方ひとつで相手が変わります。

 

 

健康とは

 

正解は1つではありませんが、持論を持っておいた方がいいです。

私は『質のよい血液をひとつひとつの細胞に流せるか』だと思っています。

それには腸内環境をよくすることが重要です。糖尿病や高血圧も改善します。

 

腸内環境という言葉が出てくると、善玉菌/悪玉菌 が頭に浮かぶ人も多いでしょう。そのうち善玉菌、悪玉菌という言葉はなくなっていくかもしれません。

ちなみに、悪玉菌を全部なくしたとすると、善玉菌がサボり出すので、悪玉菌はいなくならないようになっています。

 

腸内環境は生後6か月ごろまでに決まります。お母さんの持っている菌や病気は、出産の時にすでに引き継がれています。

そして、ヨーグルトを食べても、腸内環境はそう変わらないのです。ヨーグルトは転校生みたいなもので、腸内の細菌が動き出すきっかけにはなりますが。

 

腸内環境は肥満にも関係しています。実は痩せている人の腸内細菌を肥満の人に移植すると痩せるんです。

でも裏があって、痩せはするのですが、その痩せている人の性格や病気も一緒に移ってしまうので、実行されていないのです。

 

腸は肝臓とも重要なかかわりがあって、腸が綺麗だと綺麗な血液が肝臓に送られ、健康になったりします。

女性の死因の第一位は大腸がんです。食べるものやストレスで腸内が腐敗してがんが発生します。ちなみに退職をした男性も家で暇をしていると便秘になり、腸内環境が悪くなり、病気にかかりやすくなります。

 

うつ病の人はの腸内環境はとても悪いです。腸内環境が悪い人は労働生産性も低いというデータがあります。

丸の内でお勤めをしている女性に聞いたところ、68%の人が3日以上便が出ないという結果でした。

 

便を出すには食物繊維を摂ることが大事です。

1日に20~25g摂りましょうサプリメントで摂ってもいいです。

現代人はだいたい10gしか摂れていなくて、戦前は30gくらい摂っていたのだそうです。

 

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ここでマインドフルネスのお話が

アメリカは、西洋東洋問わず、よいものはどんどん取り入れていく文化があります。なので、禅から始まったマインドフルネスも上手に取り入れて活用しています。

一方、日本はどうでしょう。

明治時代に東洋医学を切り捨て、西洋医学に走りました。一度捨てたものにはどうも戻りにくいようで。

なので、伝統的な医学である東洋医学エビデンスを求めてしまうのだと思います。

 

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生きていく上で必要なもの

(先生が挙げた健康のためによいものあれこれ)

 

①呼吸

②食事

③その他

 

みんな食事にはお金をかけるので、とても興味があります。しかし呼吸は無料。興味もなく、重要性が見過ごされています。

 

 

・1:2の呼吸

副交感神経が上がります。交感神経優位の今、大事なことです。ヨガの呼吸法はいいです。

 

・朝食

時計遺伝子は朝食を食べないとスイッチが入りません。

起きてから1時間以内に食べないと時計遺伝子は動きません。

次の月曜日にヒルナンデス、そのうち徹子の部屋にも出演しますが、そこでもお話をする、赤味噌白味噌、玉ねぎ、リンゴ酢を使った味噌汁を朝食に摂るといいです。

 

・風呂

39~41℃の半身浴がいいです。

20代の人に42℃のお湯に5分浸かってもらうという実験をしましたが、血液がドロドロになりました。

子どものころに親から「肩まで浸かって100数えなさい」と言われた人もいると思いますが、あれは拷問です(笑) 

肩まで浸かってしまうことで心臓に圧がかかって息苦しくなります。血流も悪くなります。

 

・タッピング(TFT

触れるか触れないかの強さで、ゆっくりとするといいです。副交感神経が上がります。

 

・セルエクササイズ(先生が考案した動き)

末端を意識することがポイントです。

腕を前で抱えて、三角筋を伸ばすストレッチがありますが、前腕部に反対の肘をかけるやり方ではなくて、手先を反対の手で掴んで、ぐいーっと引っ張った方がよく伸びます。

バンザイの状態で身体を左右、前後に動かす動き。単にバンザイするのではなくて、まず腕を絡めてからバンザイして動かした方がよく動きます。朝、寝る前に3回ずつ。肩甲骨や胸が開きます。

 

※アキレス腱伸ばしについて

30秒間アキレス腱を伸ばしていると、元に戻りません。

運動会などでアキレス腱伸ばしを丹念にすると、速く走れなくなりますので、自分の子どもには絶対にさせず、ライバルには積極的に勧めてあげましょう(笑)

 

・スクワット

足腰が弱くなると転倒の危険性が高まります。転倒で怪我をし、寝たきりへ。転倒予防に足腰を鍛えましょう。

 

・日記を書く

①うまくいったこと、②うまくいかなかったこと、③明日の目標(または2日前の食事メニュー(笑))を3行くらいで書きます。その日を検証することが大事です。

 

・528Hzの音楽

呼吸がゆっくりになり、副交感神経が上がります。

 

・謙虚に生きる

足元がちゃんと見えているといいです。

 

・便秘解消にはおなかを揉む

右肋骨下と左骨盤の上を湯船の中で揉むといいです。

 

・ゆっくり早く(外科医の格言)

行動がゆっくりになると呼吸もゆっくりになります。

失敗がなくなるので、最終的には早く終われます(手術のことでしょうか?)。

 

・健診には行くべき

みんな結果が怖くてなかなか行かないと思うのですが、行かない間にがんなどが転移しているというのはよくあることです。

症状が悪化して痛みなどが出てきたときにどうせ医者にかかるのですから、健診や受診はちゃんとするべきです。

がんは早期発見したら助かる病気になってきました。早い段階で見つかっていたら、ご本人も治療に積極的に取り組めるからです。

 

 

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先生は、ヨガが自律神経によいと、ちょくちょくお話になりました。

最後に「国民の健康のためにヨガを広めていってください」という言葉で講演を終えられました。

 

「国民の健康のために」。

そんな大きな視点でヨガをしたことはありませんでした。

私は小さなことをコツコツとしかできませんが、それが大きなところに繋がっているということ。

ヨガのクラスで、私もがんばりたいと思いました。