よいお天気が続きますね(^_^)
シネマ歌舞伎なんですが、観に行く予報を自分で出したのに、全然観に行けていません(^_^;)
法界坊は観に行くことができまして、
ついでと言ってはあれですが、OPENしたばかりのなんばスカイオにも立ち寄りました。
こんなイベントを開催中だからです(^_^)/
法界坊出演者に対する歌舞伎3年生の私が思ったこと(笑)
ギリギリに席に着いたのですが、前方の見えにくいブロック以外はほぼ満席でした。
作品は150分あります。
阿弖流為もそうだったけど、上映途中に15分のトイレ休憩が入るのはシネマ歌舞伎だけかな(笑)
ここからは、観た人だけがわかる感想を書きます(笑)
主人公は最後に取っておくとして(笑)
永楽屋娘お組:中村 扇雀
歌舞伎は年齢に関係なくいろんな役柄をしますが、今回はちょっと厳しいかと(^_^;)
訳あって名前と身分を隠している勘九郎さんを、若くて美しい七之助さんと取り合うようなライバル関係ですから(笑)
大詰の場面で勘三郎さんと二人、そっくりないでたちで踊っている場面がありましたが、やはり勘三郎さんよりも女らしさがあったように思います。勘三郎さんは法界坊も1/2入っている設定なのもありますが(笑)
道具屋甚三郎:中村 芝翫
まだ若いです(笑) 2008年の作品ですから。この頃はまだ橋之助さんでした。
イケメンで背が高いところを勘三郎さんにいじられっぱなしです。勘三郎さんに「見た目だけで頭がからっぽ」とも言われていましたが(^_^;)
昨年に、親子4人同時襲名公演を観ましたが、何もかもがくどかった(^_^;)
法界坊のこの頃はさっぱりとしていて、小気味よい感じでいいなあと思ったのでした。
仲居おかん・淡路七郎女房早枝:中村 歌女之丞
声に特徴があるのかな。今年の「切られの与三」で七之助さんのお母さんの役をやっていた方だなあとすぐわかりました。
特に感想はないのですが(笑)
山崎屋勘十郎:笹野 高史
この人(笑) 持ち味がわかっていて、それを歌舞伎でどう活かすのかも本当によくお分かりだなあと思いました。さすがベテランです。
身体の鍛錬をなさっているのか、何度も転んだりするシーンも軽々とこなしていました。(心の中では、年齢も年齢だから、身体大丈夫なのかなあと心配をしていたのですが)
お化粧だけでなく、口もとの表情もとても豊かで面白かったです。エロじじいな感じがよく出ていました(笑)
番頭正八:片岡 亀蔵
阿弖流為で初めて観たときに、声のいい役者さんだなあと思いました。
中村屋の公演にはよく呼ばれているようです。今回もちょっと不気味でずる賢く悪い人の役でした。
声がやっぱりいいなあ。
身体がとても柔軟で、イグアナのような形のまま前進したりで、この方も身体を鍛錬なさっているのだろうなあと思いました。
永楽屋権左衛門:坂東 彌十郎
体躯の大きな役者さんです。亀蔵さんもそうですが中村屋の公演に出ていることが多いです。
でも、芝翫さんと並ぶと大きさが消えてしまって勿体ないなあ。
永楽屋手代要助・吉田宿位之助松若:中村 勘九郎
歌舞伎は道徳とかモラルを逸脱したお話が多いのですが、この人が許嫁と、今カノとどっちつかずなのが、この物語の悲劇の始まりだと思いました(^_^;)
今カノに宛てて書いた恋文(実は勘九郎さんの手紙ではないのだけど)を読み上げられるシーンで「なんだこの字は。だから習字はちゃんと習えって言ったんだよ!(場内は爆笑)」と、お芝居の上ではなく、お父さんとしての勘三郎さんに言われ、微妙に表情が変わったりもしていました。基本、何を言われてもポーカーフェイスでいるのですが、たまにぴくって笑いを堪えているのが面白かったです。
白く塗って綺麗な男の人なのですけど、今とはやっぱりちょっと違っています。
花園息女野分姫:中村 七之助
美しいお姫様です。話し方と仕草がゆっくりという設定なので、勘三郎さんをイライラさせます(笑)
でも、この頃の七之助さんは、今ほど美しくないなあと感じました。顔の肉づき?お化粧?
声はなんか割れているところがあったので、のどの調子が悪い日に収録されたのかなあと思いました。
大詰のところで、勘三郎さんが、野分姫と法界坊の霊が合体した姿で現れるのですが、すぐ横で黒衣の恰好をして、野分姫の声のときだけ当てぶりしているのです(お父さんが口パク)。最初は黒子が七之助さんと気付かなかったのですが、お姫様のお顔のまま(生地が薄いのではっきりと見えていました)、黒衣の恰好しているので面白かったです。黒衣姿も綺麗でした(笑)
聖天町法界坊:中村 勘三郎
私は歌舞伎3年生なので、生の勘三郎さんを観たことがありません。生で観たかったなあと、映画館で観るたびに毎回思います。
歌舞伎って場面ごとに分刻みでスケジューリングされているはずなのですが、法界坊ではアドリブの多いこと(^_^;)
アドリブに見せかけて、実は決められたセリフだったりするのかなあと。
ずる賢くて嫌な坊さんなのですが、コミカルなしぐさやセリフが多いので、あまり嫌な感じがしませんでした。
客席に下りて行って、裏で想いあっている二人の手紙をお客さんたちに「これが二人が通じている証拠です!」と見せて回るのですが、横浜から来ためがね少年にことあるごとに話しかけていて、サービス精神が旺盛だなあと思いました。歌舞伎なのに笑いっぱなしでした。
いちばん最後のシーンで、中村座恒例の、舞台の後ろが開いて、借景でお芝居が続くのですが、霊になったもの悲しさと、桜の花びらが舞い落ちるさま、後ろの自然の木々がミックスされているのを見たら、もうこの世の中に勘三郎さんは不在なのだなあと心の中に浮かんできて、なぜだか泣いてしまいました(^_^;) 近くの人は誰も泣いていないので、ちょっとはずかしかったのでした(笑)
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お父さんが早くにいなくなったことで、勘九郎さんと七之助さんは必死になり、他の先輩方も目をかけてくれたりして、いい役者さんになってきたのか、はたまた、お父さんが生きていたら、今以上によくなっていたのかということは、なんとなくいつも考えます。
考えても答えは出ないのですけど(^_^;)
なんにせよ、中村屋兄弟がいるこの時代に歌舞伎を好きになれたことは、私にとって幸せなことなので、ありがたいなあと思っています。
シネマ歌舞伎のよさ
表情がアップで観られるのが一番いいなあと今回改めて思いました。
これまで『実際のお芝居を観たからシネマはやめておこう』と思っていた演目も、ちゃんと観たらよかったなあ(^_^;)
次回のシネマ歌舞伎は玉三郎さんの『ふるあめりかに 袖はぬらさじ』です。
11/10(土)~11/16(金)の一週間だけの上映です。
原作は有吉佐和子さん。
鬼籍に入られた三津五郎さんと勘三郎さんも出ていますし、今月復帰なさった福助さんも。
海老蔵さん、松也さん、中村屋兄弟ももちろん出ています。かなり豪華だなあと歌舞伎3年生の私でもわかります(笑)
ちなみになんばパークスシネマでは解説つき上映会があるのです!
この作品の解説付き上映会は 11/12(月)の13時からです。
同じお値段で専門家のわかりやすい解説を20分ほど聞くことができます。
時間の都合がつく方はぜひこの日に足を運んでみてください。
解説つき上映会は割と早めに満席になりますから、席は早めにおさえましょう(^_^;)
なんばスカイオの歌舞伎イベントについては、別の記事に書きたいと思います(^_^;)
取り急ぎ、大事なことはこれ!!(笑)
10/20(土) 10/21(日) 10/27(土) の16時からと、10/28(日)の13時から、藤娘が観られるようです。
小さいながら舞台もしつらえてありました。
中村扇乃丞さん、澤村國矢さんが出演されるようです。
國矢さんは中村屋の公演でもおなじみの方です(^_^)
この日以外(平日)でも、衣装の展示(写真撮影禁止)や、歌舞伎の小道具に実際に触れることができる展示など、かなり楽しいです。
スタッフの方も常駐していて親切にしてくださるのに、なんと無料。
シネマ歌舞伎 『法界坊』は今日10/19が最終日です。
映画の前後に、なんばスカイオにもぜひどうぞ(^_^)