何日も降っていた雨、奈良ではそろそろ止みそうです。
そして週末は台風の影響で再び雨(^_^;)
明日金曜日は 雨と雨の谷間。
久し振りにカラッとして、一日中おひさまが拝めるそうです(^_^)
9/24の夜にNHKで放送された [東洋医学 ホントのチカラ ~科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ~]
まとめもやっと最後のページになりました(^_^;)
鍼、ヨガ、漢方薬に続き、お灸編です。
第四部 お灸
はじめに:お灸で免疫力がアップするメカニズム
お灸の熱で皮膚を刺激すると、体内にヒストトキシンという有害物質が発生、これを退治するために白血球などの免疫成分が増えます。こうして身体の免疫機能を向上すると考えられています。
お灸はツボに据えますが、ツボはもともと神経や血管の集まるところで、鍼と同じく自律神経にいろいろな作用を及ぼします。
番組で出てきたお灸は、私の愛用しているこれ・・・
・・・ではなくて、
透熱灸(とうねつきゅう)と呼ばれているお灸でした。私も相性のよかった治療院で2度ほどしたことがあります。
透熱灸は、少量のもぐさ(良質なもの)を米粒の半分くらいにねじったものを皮膚の上に置き、そこに直接、お線香などで点火するというものです。
番組では細長ーくしたものに点火。
お灸を終える時は、指先でジュッと火をつぶすようにしていました(^_^;)
アフリカでイギリス人によるお灸指導
日本から遠く離れたアフリカで、お灸が意外な病気の治療法として使われています。(答えはのちほど。)
登場するのは、漢字の「灸」の文字をおしゃれにデザインしたTシャツを着たイギリス人の男性、マーリンさん。(Tシャツかっこいいな(笑))
[モクサアフリカ] という お灸を普及させるボランティア団体の代表の方です。
せんねん灸が支援しているみたいです。
取材の日は、マーリンさんが、看護師さんなど病院で働く人たちにお灸の方法を教えていました。
マーリンさんのお気に入りは日本製のもぐさ(^_^)
キメが細かくて使いやすいのだそうです。←でも、買ったら結構なお値段します。
アフリカに広めようとしているのは 足三里(あしさんり)にお灸をする治療法。
番組では
指でL字を作り(親指を)、膝(のお皿の上端)を添えたときに、中指の位置にあるツボ が足三里
と紹介されていましたが、わかりやすい説明だなあと思いました。正面から見たら、逆さまのL字です。
お灸をどんな病気の治療(補助療法)に役立てようとしているのか。
それは 結核 です。
足三里は 長寿と健康増進で有名なツボ。
他にも胃腸の動きをよくしたり、足の疲労回復にもよいツボです。
ここにお灸をすると 免疫力が上がるのだそうです。
かつては日本でも大流行し、多くの死者を出した結核。
原因は結核菌の感染です。
栄養不足などで免疫力が低下すると、体内で菌が増殖、発症します。
その結核がいま、アフリカで猛威を振るっています。
年間数十万人以上の人が結核で亡くなっています。
マーリンさんは結核患者の免疫力を高め、予防や症状を緩和する方法として、お灸に注目したのです。
きっかけは古い日本のお灸の研究書「萬病に効くお灸療法/原 志免太郎(はら しめたろう)著」。←絶版です
原先生は世界初のお灸博士と呼ばれた人なのだそうです。
九州帝国大学(現在の九州大学)でお灸の免疫力の効果に関する研究を続け、動物実験でお灸が結核に有効であることを突き止めました。
「原先生は、お灸で免疫が上がり、伝染病にかかりにくくなると提唱していました。だから私たちは、結核にも有効ではないかと考えたんです。」
マーリンさんたちは原先生のこの研究をもとに、現地の薬理学者さんと一緒に、人での効果を確かめる臨床研究を行いました。
注目したのは血液中のヘモグロビン。酸素を全身に運んでくれるはたらき。
通常治療群と 通常治療+お灸群 の比較で、6か月間のヘモグロビン量の変化を見ました。
前者は17%アップ、お灸群は50%アップしたのでした。
これは免疫力向上の効果が高いことを示していると考えられます。
さらに25人の回復状況を比べると、お灸群のほとんどは2か月ほどで回復したことがわかりました。
実際に+お灸で回復した人に話を聞きました。
3年前まで結核に苦しみ、寝たきりだったという女性。
現在は元気になって、商店を経営しています。
「お灸を使って元気になりました。食欲も出たし歩けるようになったのよ。お灸は本当にすごいわ。もし、誰かに頼まれたら、ぜひ教えてあげたい。」
回復した今でも再発防止のためにお灸を続けています。
臨床研究で結果が出始めたお灸。
ウガンダのいろいろな病院でも導入するところが増えてきているそうです。
医療事情が悪く、結核の治療薬が入手できないことも多いことから、安価で簡単なお灸に期待が集まっているのです。
結核患者の人は
「(お灸は)最初は不安で怖かったです。でも、少し痛いだけで、慣れれば大丈夫でした。」
「お灸で元気になってきたから、これからも続けます。」
看護師さんは
「患者の多くは貧しい状態です。でもお灸を使えば安価で免疫力を上げることができるんです。」
マーリンさんは
「医療を必要とする人、困っている人々、貧しい人たちのニーズに応えられるのがお灸なんです。」と言います。
これからもアフリカ各地に活動を拡げて行こうとしているのだそうです。
番組のエンディングでだだーっと文字が流れていましたが、その中に番組には登場していないのに、岡孝和先生のお名前もありました(^_^)
岡先生は心身医学の先生です。
心身症の治療に伝統医学(漢方、ヨガ)を役立てようと研究していらっしゃいます。
先生のHPではヨガの臨床効果の論文を公開しています。
興味がある方はご覧ください。
番組のまとめはここまでです。
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未経験だけどお灸に興味を持たれた方。
体験や相談はせんねん灸のお店でできます。
大阪だと南森町、東京は銀座、京都の河原町、滋賀の長浜にあります。
日替わりでお灸イベントも開かれていまして、とても楽しいですし、今のところ押し売りにあったこともありませんのでご安心ください(笑)
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ヨガもそうですが、西洋医学側の人たちから見ると「それ、エビデンスあるの?」と聞いちゃうような、でも、健康に良い民間療法含むあれこれが、ずーっと昔からありました。
それらが今回のように、テレビ番組などでも頻繁に取り上げられるようになってきました。
ようやく、偏見混じりではなく「すごいんだね!」という気持ち込みで、日の目を見ることができたのは喜ばしいことです。
市民権を得て、お医者様や学者さんたちもやっと、東洋医学がもたらす効果を調べる研究に着手してくださっています。
研究が進み、その効果が科学的に明らかになったら [エビデンスあるの族] の人も認めてくれるでしょう(笑)
私のブログのあたまにも書いていますが、ストレスに効くお薬というのはまだ世の中にはなくて、でも、ストレス性疾患の人は昔に比べて急増していますから、お医者様方もお手上げ。
西洋医学でなんともならないあれこれを、東洋医学でなんとかしようという流れは、とてもいいと思います。
実際に私も、西洋医学で診断(ここは大事)と治療をしてもらい、取りきれなかった症状を東洋医学で治してもらうことがあります。
東洋医学には、体質改善も含めて予防医学という側面もあります。
増え続ける医療費をなんとかするというのももちろん大事なんですが、ご長寿国日本で、健康で自立して暮らせる期間(健康寿命)も伸びていけば、その人にとっても、家族にとっても幸せなのではないかと思います。
私のヨガのクラスでも東洋医学のいいとこどりをしています。
東洋医学のあれこれを積極的に取り入れながら、元気に年を重ねて行きたいものです(^_^)